常闇の国(白雫の谷)関連白雫の谷の昔話
昔々、眠り谷が眠り谷と呼ばれるようになった頃…
そのとある霧深い幽谷は、罪人が落とされる場所だった。谷の上から落とされるのが最も重い刑であったが、落とされ落下死させるのが本来の意図ではない。谷のそこは霧深く、その霧にには毒が含まれていた。
その谷には過去に罪を犯した者たちが住んでいた。
谷の上には行けず、他の世界を見ることができず、日中は毒素の強い霧のために家の中にいることを余儀なくされ、人々は自ずと夜にのみ生きるようになった。
ある日ひとつの苗木と白い魔女が谷に降りてきた。
人が滑り落ちることはあっても自ら降りてくることはなかったため人々はとても驚いた。
魔女は苗木を植え、魔力を与えるとその木はみるみる育ち、立派な大樹となった。大樹は毒素を吸い込み害のない霧に変えることができた。狭い谷底の霧はすぐに吸い込まれ、人々に昼の世界がもたらされた。
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