湿気と乙女心 ラティウムにも雨は降るし湿気でジメジメする時もある。そしてどこからどう見ても癖っ毛のルルは湿気がひどい日の朝はそれはそれは大騒ぎなのだった。
「か、髪が決まらない…!」
属性を得、そして恋人を得たルルは乙女心の赴くまま鏡と睨めっこしていた。
「ルル…大丈夫よ」
「アミィ」
泣きべそをかくルルを励ますのは同室のアミィ。ルルのいつものリボンを手に取り慣れた手つきでルルの髪を結んでいく。
「ほら、結んだら大丈夫よ。それにビラールさんは髪型ひとつで嫌うような心の狭い人ではないでしょう?」
「そう…だけど…」
ただ、少しでも素敵な自分で会いたいという乙女心が働いているせいでもあった。とにかくルルはアミィに結んでもらった髪型に背を押され部屋を出るのだった。
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