ドンドンと不快なドアを叩く音で目を覚ます。というより無理やり起こされた。上着をひょいと羽織り、セットも何もしていない長い前髪を掻き上げ、渋々ドアを開ける。
「ケイト……。」
見知った跳ねがちなアイビーグリーンとその上の帽子。我らが副寮長様がこんな朝からなんの用だというのか。
「……朝から何。」
「お前、服。服忘れてるから。」
リドルがいなくてよかったな、なーんて軽口を叩き、悪びれもしない態度にイライラは募っていく。寝起きはいい方ではないとはいえ、まだ朝食には早すぎる時間だろう。
「上着着てるってば。 うるっさいなー……
……で? 何。」
話の続きを催促してやれば、額に手を置いて苦悩の表情。
あのな、って言い渋ってるけど、オレが一体何をしたっていうんだ。
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