snowy slowly 本日の授業終了の鐘が鳴り響く。談笑する生徒たちの間を縫って、一足先に外へ出た。
空を見上げれば、一日中ぐずった子どものように駄々をこねていた雲からとうとう雪が降りだしていて、ラギーは頭上をちらつき始めた白い結晶に向かってはぁと曇らせた息を吐き出した。
「……さむ…」
そう呟くや否や、首をすぼめてふるりと全身を尻尾の先まで震わせる。せっかく部活で体を動かして暖まれると思ったのに、今朝方「今日は休みだ」と怠惰な部長から告げられてしまった。先日試合があったばかりだから休息にはいいタイミングだが、おそらくあの部長は自分が動きたくないだけだろう。
ちらりとスマホに目を落とす。降ってわいた暇をつぶそうと方々に手伝いはないかと持ち掛けてみたものの、結果は芳しくなかった。こうも寒いと経済活動も動きが鈍るらしい。
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