おかしなふたり「大変ご迷惑をお掛けいたしました」
複数の教諭が見守る中、間宮は深く頭を下げた。謝罪を受けた生徒の母親はいえ、とぎこちない苦笑を浮かべた。今回起きた騒動に対し彼女は怒りよりも困惑のが強いようであった。
「今後はどうか、娘さんのこともっと気に掛けてあげてください」
娘か、と間宮は頷きながらも内心で唾棄した。学校に急に呼び出されたのは養子が起こしたトラブルが問題だった。
「では不死見さん、後の事は……」
教師が母親へ話し掛けると間宮も娘の担任の教師に別室で待つ娘の元に向かうよう促される。相手側へ一礼し部屋を移動する、廊下の途中で。何者かが走ってきた気配と共に、あの、 と背後に声を掛けられる。
「不死見君、何か……?」
1944