徹夜明けは判断鈍る言うたのに徹夜明けは判断鈍る言うたのに
「お先失礼します」
「お疲れ様です…あら岡くん、酷いクマね。帰ってちゃんとん寝た方がいいわよ」
「あぁ、えぇ?そうします」
朝のシフトに毎日入ってるこのおばさん、名前何やったっけか。週五で挨拶するだけの関係の人に気を遣われるほど僕の顔は酷いらしい。スマホに電源を入れずに画面を鏡代わりにして覗き込むも色まではわからなかった。つい、顔に液晶を近づけた時、パッと画面が明るくなった。
『東京駅着いた。今から待ち合わせんとこ向かう』
『聡実くんもうバイト終わった?』
『待たせたらごめんネ』
ポンポンポン、と連続で届くメッセージを見てメガネを浮かせてゴシゴシと目を擦った。
『今日休みなんで、ゆっくりで大丈夫です』
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