彼女の笑顔草の上に寝ころんで青空を眺める。こうしていると故郷を思い出す。
どんなに離れていても決して忘れることのない故郷の空と大地。
弓が苦手だったが、尊敬する族長に剣を褒められ、一流の剣士になるべく故郷を飛び出した。その夢を叶えるまではあのサカの大地に戻ることはないと決めているが、こうしていると時々懐かしく思ってしまう。
「ギィさん」
ぼーっと考えていると、いきなり顔を覗き込んできたのはプリシラだった。
「プ、プリシラっ...」
過剰とも言える驚き方をして飛び起きた。
「すみません。驚かす気はなかったのですが...」
ギィがあまりにも驚いたので、プリシラまで驚いてしまった。
「あ、いや、おれこそごめん。考え事してたからつい」
2666