対峙の時、来る 続きside悪魔の子と呼ばれた青年
「悪魔の子、お覚悟を」
町の方から現れたのは、とても綺麗な人だった。
「なんて、きれいなひと、なんだろう」
視界から脳へと情報が届いた時、剣を振る腕がピタリと止まってしまうくらいに与えられた衝撃は強烈で。
敵の目の前で戦いを止めるなんて、相手からすれば絶好のチャンスなのは言うまでもない。
今だ!と放たれた咆哮と共に振り下ろされた刃は、僕の体を目掛けーーーー寸前で弾き返された。
「君!!何やってるの!?」
危機を救ったのはマルティナだった。どうやら僕と騎士の間に下からスルリと入り、棍と蹴りで撃退したらしい。
いつの間にか落ちてしまっていた剣を、先に拾っていた彼女から受け取る。
「次はないわよイレブン!」
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