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    ショッピ

    ytd524

    DOODLEポイピク投稿テスト用。
    以前ワンライ用に書いたけど全く五伏要素なくなってしまったやつ。
    支部のまとめログにも収録してます。

    お題:ヒール
    内容:五と伏姉弟でショッピングモールに靴買いに行く話。しんみりしてる内容。
    その扉を開けるのは随分と久しぶりのことであった。俺自身はそこをほとんど使わなかったし、今日だって、寮に移るための準備という名目がなければ開けることはなかっただろう。だからだろうか、なぜかそこを開けることに、ほんの少しだけ躊躇してしまっていた。
     別に緊張をしているわけでもないはずだ。ただ、そこに入っているものを見たら、俺はきっと動揺してしまうだろうと分かっていた。とはいえ、これから三年かそれ以上か、この家を空けることになるのだ。一度だけ深呼吸をして、俺は一気に、力任せにその扉を開ける。そして扉は、俺の躊躇なんてなかったかのようにあっさりと開かれた。
     下の方に取っ手がついた、縦開きの戸棚。その中に仕舞われているもの──津美紀の靴を眺め、俺は少しの間、息を止めた。

     将来呪術師として任務に携わることを担保とした、高専からの資金援助。
     それは決して金銭に余裕のある暮らしを送れる保証があった、というわけではない。もちろん、津美紀の母親が残した資金だけで暮らしていたかもしれない生活と比べれば天と地ほどの差があるだろう。とはいえ、子供二人、アルバイトもできない中で生活していくだけの最低限の金 3581

    _linker

    DONEショッピングデートするディノキスの短文ディノが戻ってくるまでに、四年の月日が経過していた。
     そうは言っても、子どもがいなくなっていたわけではないから、体型に大きな変化があったわけでもなく、制服も普段着も、いなくなった当時のものをそのまま着られる。キースがディノの私物をほとんど全て保管していたおかげで、新たに買い直すべきものは最小限で済んだ。
     だがディノは、好奇心旺盛で新しい物好きなところがある。自分の知らない流行りものを街で見かけては、「あれ何?」と目を輝かせて問いかけてくるのが半ば恒例と化していたところで、合流して初めてのオフの日、キースはディノに引きずられるようにして、ウエストのショッピングモールを訪れていた。
    「つっても、オレは流行りとか分かんねぇぞ……」
     そういう類は、フェイスの方がよほど詳しい。だからといって、ただでアドバイスをしてくれたり、休日にショッピングに付き合ってくれたりするとは考えにくいけれど。
    「いいんだよ、俺はキースの意見が聞きたいんだから! ほら、これとかどう?」
     そう言ってディノは、自らの上半身にグレーのニットを翳した。人好きのする、愛嬌のある顔立ちに、キースやブラッドと並んで遜色のない 1432