takamura_lmw
DONE桜流しのさめしし、もしくはししさめ。ハッピーエンドです。ほんとなんです。メリバでもないキラッキラのハピエンなんです。信じてください。これがずっと出力できなくてここ一ヶ月他のものをなんも書けてませんでした。桜が散る前に完成して良かったと思うことにします。次はお原稿と、にょたゆりでなれそめを書きたいです。
桜流し 獅子神敬一が死んだ。
四月の二日、桜が散り出す頃のことだった。
村雨にその死を伝えたのは真経津だった。
「——は?」
「死んじゃったんだって。試合には勝ったのに。獅子神さんらしいよね」
真経津は薄く微笑んで言った。「獅子神さん、死んじゃった」と告げたその時も、彼は同じ顔をしていた。
「……いつだ」
「今日。ボク、さっきまで銀行にいたんだ。ゲームじゃなかったんだけど、手続きで。そしたら宇佐美さんが来て教えてくれた。仲が良かったからって」
村雨はどこかぼんやりと真経津の言葉を聞いていた。
「あれは、……獅子神は家族がいないだろう。遺体はどうするんだ」
「雑用係の人たちが連れて帰るって聞いたよ」
「そうか」
「銀行に預けてる遺言書、あるでしょ。時々更新させられる、お葬式とか相続の話とか書いたやつ。獅子神さん、あれに自分が死んだ後は雑用係の人たちにお葬式とか後片付けとか任せるって書いてたみたい。まあ銀行も、事情が分かってる人がお葬式してくれた方が安心だもんね」
22432四月の二日、桜が散り出す頃のことだった。
村雨にその死を伝えたのは真経津だった。
「——は?」
「死んじゃったんだって。試合には勝ったのに。獅子神さんらしいよね」
真経津は薄く微笑んで言った。「獅子神さん、死んじゃった」と告げたその時も、彼は同じ顔をしていた。
「……いつだ」
「今日。ボク、さっきまで銀行にいたんだ。ゲームじゃなかったんだけど、手続きで。そしたら宇佐美さんが来て教えてくれた。仲が良かったからって」
村雨はどこかぼんやりと真経津の言葉を聞いていた。
「あれは、……獅子神は家族がいないだろう。遺体はどうするんだ」
「雑用係の人たちが連れて帰るって聞いたよ」
「そうか」
「銀行に預けてる遺言書、あるでしょ。時々更新させられる、お葬式とか相続の話とか書いたやつ。獅子神さん、あれに自分が死んだ後は雑用係の人たちにお葬式とか後片付けとか任せるって書いてたみたい。まあ銀行も、事情が分かってる人がお葬式してくれた方が安心だもんね」
imori_JB
DOODLE仲良いしいな先輩と花ちゃんに夢見てる。あの二人同い年だし同期だったりしないかな。特四女子から見た村雨とにょたしし。にょたししが途中から、村雨は最後にちょろっとでる。ディスってるのは仕様です。
シークレット・ラヴァーズ②「そうそう、聞いてよ花ちゃん~」
カラス銀行本店の最寄り駅前にある百貨店。
セール初日の土曜日がオフに当たり、意気揚々とやって来たカラス銀行特別業務部四課宇佐美班の女王様こと羽柴しいなは連れと共に心行くまでショッピングを楽しみ、そして今小休止の為に百貨店内のカフェに来ていた。あくまで小休止だ、この後まだまだ見たいものはある。
次に回るフロアとルートについて頭の中で算段しつつ、冷たいアイスカフェオレを一気に半分吸い込んでから今日の連れに話を向けた。アイスティーの氷をストローで突いていた連れは顔を上げる。
「何だよしいな」
同じく特別業務部四課、片伯部班の加賀花火。同い年の為入行時期も近く――当初配属された課は全く異なっていたが――、特四自体女性行員が少ない部署とあって、顔を合わせれば立ち話くらいはする仲だ。互いに男社会といっていい特別業務部四課になどいれば愚痴の一つや二つ、三つや四つ出て来るものなのだ。
5241カラス銀行本店の最寄り駅前にある百貨店。
セール初日の土曜日がオフに当たり、意気揚々とやって来たカラス銀行特別業務部四課宇佐美班の女王様こと羽柴しいなは連れと共に心行くまでショッピングを楽しみ、そして今小休止の為に百貨店内のカフェに来ていた。あくまで小休止だ、この後まだまだ見たいものはある。
次に回るフロアとルートについて頭の中で算段しつつ、冷たいアイスカフェオレを一気に半分吸い込んでから今日の連れに話を向けた。アイスティーの氷をストローで突いていた連れは顔を上げる。
「何だよしいな」
同じく特別業務部四課、片伯部班の加賀花火。同い年の為入行時期も近く――当初配属された課は全く異なっていたが――、特四自体女性行員が少ない部署とあって、顔を合わせれば立ち話くらいはする仲だ。互いに男社会といっていい特別業務部四課になどいれば愚痴の一つや二つ、三つや四つ出て来るものなのだ。
imori_JB
DOODLE村雨とにょたししが付き合ってることを知らなかった宇佐美班の面々に、真経津邸に入り浸るせいで自然と知った御手洗がうっかり暴露した話。村雨もにょたししも出てこない。あとほんのり宇佐美→にょたしし。
しいな先輩が滅茶苦茶に村雨をディスりますが仕様です。
シークレット・ラヴァーズ①「以上が当行の創立記念謝恩パーティーの概要になります。何か質問は?」
カラス銀行特別業務部四課、宇佐美班。主任の宇佐美から三週間後に控えるパーティーの概要について説明されていた班員達は手元の書類から顔を上げ、それぞれ顔を見合わせる。
毎年年に一度行われているパーティーであるからして既に数回経験している面々にとっては特段今更疑問を持つような内容では無い。
しかし今回が初めてである御手洗にとっては疑問しかないイベントだ。
「あの……何ですか、この……」
「ギャンブル体験イベント?」
「はい」
普通課が主催するイベントとは異なり特別課が主催するイベントは勿論ギャンブルに関した物だ。
創立記念謝恩パーティーの中でも特別業務部4課と5課が合同で主催する4リンク以上に所属しているギャンブラー達を招き、彼らを相手にVIP達がギャンブルを楽しむという企画はその中のメインイベントとして位置づけられている。
4190カラス銀行特別業務部四課、宇佐美班。主任の宇佐美から三週間後に控えるパーティーの概要について説明されていた班員達は手元の書類から顔を上げ、それぞれ顔を見合わせる。
毎年年に一度行われているパーティーであるからして既に数回経験している面々にとっては特段今更疑問を持つような内容では無い。
しかし今回が初めてである御手洗にとっては疑問しかないイベントだ。
「あの……何ですか、この……」
「ギャンブル体験イベント?」
「はい」
普通課が主催するイベントとは異なり特別課が主催するイベントは勿論ギャンブルに関した物だ。
創立記念謝恩パーティーの中でも特別業務部4課と5課が合同で主催する4リンク以上に所属しているギャンブラー達を招き、彼らを相手にVIP達がギャンブルを楽しむという企画はその中のメインイベントとして位置づけられている。
imori_JB
TRAININGさめしし習作シリーズ。疲れすぎてバグった村雨先生が獅子神の所に居れば三大欲求全部満たされるな?(キュピーン)する話。
または、雄っぱいに癒される話。
三大欲求ワンストップ①「お疲れ様でした」
背中に掛かる看護師の声が妙に遠く聞こえる。
グラグラと揺れる頭を持て余しながら、村雨は病院の自動ドアをのろのろと潜り抜けた。
日勤で外来、夜は当直という名の夜勤、そのまま再び当直明けで日勤、帰ろうと思った所に緊急搬送の受け入れ、落ち着いた頃合に今度こそと思った所に容体急変で緊急オペ。
一切の睡眠を取らないまま六十時間働き続けた所で村雨は数えるのを止めた。数えなくても村雨の優秀な感覚は正確に、秒刻みで時刻を把握できているのだが考えたくも無かったのだ。
今までの医師となってからの最高連続勤務時間は七十二時間、それを超えたとだけ認識している。
そして睡眠を取らせないという極めて原始的で古典的な拷問が如何に有用であるかその身をもって実感したのだった。
4205背中に掛かる看護師の声が妙に遠く聞こえる。
グラグラと揺れる頭を持て余しながら、村雨は病院の自動ドアをのろのろと潜り抜けた。
日勤で外来、夜は当直という名の夜勤、そのまま再び当直明けで日勤、帰ろうと思った所に緊急搬送の受け入れ、落ち着いた頃合に今度こそと思った所に容体急変で緊急オペ。
一切の睡眠を取らないまま六十時間働き続けた所で村雨は数えるのを止めた。数えなくても村雨の優秀な感覚は正確に、秒刻みで時刻を把握できているのだが考えたくも無かったのだ。
今までの医師となってからの最高連続勤務時間は七十二時間、それを超えたとだけ認識している。
そして睡眠を取らせないという極めて原始的で古典的な拷問が如何に有用であるかその身をもって実感したのだった。
konekonepie
DONE百合さめししのイチャイチャ。下ネタ飛び交ってるけどヤってはいない。直前。大輪は手ずから愛でるもの「獅子神、あなた玩具を挿入して自慰をしたな?」
久々のデート、家で食べる夕食、二人で戯れ合いながらシャワーを済ませた後の、夜。湯上がりのまだ温かい指を絡めながら雪崩れ込んだベッドの上で、黒いキャミソールとショーツに身を包んだオレの可愛い恋人様は唐突にそう言い放った。
へ、と間の抜けた声が唇から溢れて、半ばベッドに押し倒された状態で目を瞬かせた。肘をついて上半身を起こした体勢で暫く思考が止まり、数拍遅れて彼女の——村雨の言っている内容を理解する。
「お、おま、何だよいきなり! いいだろ別にオナニーするくらい!」
あけすけな物言いに顔が熱くなっていくのを理解しながらも、わざわざ指摘されるような事ではないだろう、と言外に訴える。頻繁に会って触れ合う時間を作れるのならともかく、村雨にもオレにもそれぞれの生活と言うものがあるのだ。なかなかゆっくり時間を取れないのはお互い承知の上だったし、同じベッドで寄り添って眠るだけでも幸せだった。
1862久々のデート、家で食べる夕食、二人で戯れ合いながらシャワーを済ませた後の、夜。湯上がりのまだ温かい指を絡めながら雪崩れ込んだベッドの上で、黒いキャミソールとショーツに身を包んだオレの可愛い恋人様は唐突にそう言い放った。
へ、と間の抜けた声が唇から溢れて、半ばベッドに押し倒された状態で目を瞬かせた。肘をついて上半身を起こした体勢で暫く思考が止まり、数拍遅れて彼女の——村雨の言っている内容を理解する。
「お、おま、何だよいきなり! いいだろ別にオナニーするくらい!」
あけすけな物言いに顔が熱くなっていくのを理解しながらも、わざわざ指摘されるような事ではないだろう、と言外に訴える。頻繁に会って触れ合う時間を作れるのならともかく、村雨にもオレにもそれぞれの生活と言うものがあるのだ。なかなかゆっくり時間を取れないのはお互い承知の上だったし、同じベッドで寄り添って眠るだけでも幸せだった。
konekonepie
DONEふたなりのにょさめ先生と彼氏のイチャイチャふたにょさめ先生と彼氏 獅子神がゆったりと足を伸ばせる程度の広さを確保してある湯船は、私が入るには随分と広く感じられる。彼の真似をしてだらりと足を伸ばそうものなら、そのまま顔まで湯に浸かってしまいそうなくらいだ。
では、そうならないようにしつつ、更に私が足を伸ばしてくつろぐにはどうしたらいいか。簡単な事だ、沈んでしまわないように底を上げてしまえばいい。——厚みも大きさもぴったりで、支えてくれるような優しい恋人そのもので。
「……お前ほんと、カミングアウトしてからオレの上に乗るの好きになったよなあ……」
そう呟く獅子神の膝の上に乗り、逞しい肩を枕にしてゆったりとくつろいでいた私は目を開けた。体が横にずれないように腕を回してくれているうえ、クッション性も申し分ないのだから愛用しても仕方がないだろう。
3416では、そうならないようにしつつ、更に私が足を伸ばしてくつろぐにはどうしたらいいか。簡単な事だ、沈んでしまわないように底を上げてしまえばいい。——厚みも大きさもぴったりで、支えてくれるような優しい恋人そのもので。
「……お前ほんと、カミングアウトしてからオレの上に乗るの好きになったよなあ……」
そう呟く獅子神の膝の上に乗り、逞しい肩を枕にしてゆったりとくつろいでいた私は目を開けた。体が横にずれないように腕を回してくれているうえ、クッション性も申し分ないのだから愛用しても仕方がないだろう。
takamura_lmw
MOURNING101話後捏造カレー回こと「朝が来る」のボツ原稿。そのうちどこかに使いまわしたいのでここに供養しておきます。「朝が来る」で唐突に病衣の話がでてきたのはこのボツ4があったからですね。
原作ししさんに近いのはこのボツ原稿ズだと思うんですが、オチがつかなかったので最終稿はふわふわちゃんになりました。
ボツボツ1
「カレーがあってさ」
と獅子神が言った。村雨はエレベーターへの長い廊下を並んで歩きながら、拳一つほど高い位置にある彼の顔を横目に見上げた。
「深鍋いっぱい。スパイス多めで、肉は牛を軽く焼いてから煮込んだやつ。食うか?」
「いただこう」
よし、と獅子神は頷いて、二人を先導する梅野に「てことだから村雨もオレんちな」と声をかけた。
銀行員は小さく肩をすくめて、「仲が良くて何よりです」と皮肉でもなさそうに言った。
獅子神の家を訪れるのが何度目か、もう数えていないが、他の二人のどちらもいないのは初めてだった。
靴を脱ぎ、エントランスに備え付けのサニタリースペースで手を洗ってから、獅子神の後を追う。家の主人はキッチンシンクで手を泡だらけにしながらこちらを振り返った。
2943「カレーがあってさ」
と獅子神が言った。村雨はエレベーターへの長い廊下を並んで歩きながら、拳一つほど高い位置にある彼の顔を横目に見上げた。
「深鍋いっぱい。スパイス多めで、肉は牛を軽く焼いてから煮込んだやつ。食うか?」
「いただこう」
よし、と獅子神は頷いて、二人を先導する梅野に「てことだから村雨もオレんちな」と声をかけた。
銀行員は小さく肩をすくめて、「仲が良くて何よりです」と皮肉でもなさそうに言った。
獅子神の家を訪れるのが何度目か、もう数えていないが、他の二人のどちらもいないのは初めてだった。
靴を脱ぎ、エントランスに備え付けのサニタリースペースで手を洗ってから、獅子神の後を追う。家の主人はキッチンシンクで手を泡だらけにしながらこちらを振り返った。
takamura_lmw
DONE102話がくる前にやっておかねばならなかった賞味期限40分のさめしし(友愛)。フルスロットルで何もかもを捏造しました。皿と火事のコマとか。あと私の性癖である「他意のない同衾」も入ってます。
朝が来る 会場を出た途端、獅子神が頽れた。
それを予想していた村雨はすぐに支えに入ったが、二十キロもウエイト差があってはひとたまりもない。早々によろけ出したのを、渋谷がひょいと代わった。
「村雨くん、足腰鍛えた方がいいんじゃない?」
「必要十分の筋力はある。この男がデカすぎるだけだ」
「それはそうかもしれないけどさ」
うわ言のように獅子神が「わりぃ……」と呟いた。がくりと俯いた顔を覗き込んで、顔色を確かめる。幾分青ざめてはいるが、目の焦点はきちんと合っている。何か話せ、と喋らせても、呂律が回らないということもない。本当に頑丈な男だった。
梅野が廊下の奥に視線を送って言った。
「一応銀行(こちら)で用意した医者が待機していますが」
6994それを予想していた村雨はすぐに支えに入ったが、二十キロもウエイト差があってはひとたまりもない。早々によろけ出したのを、渋谷がひょいと代わった。
「村雨くん、足腰鍛えた方がいいんじゃない?」
「必要十分の筋力はある。この男がデカすぎるだけだ」
「それはそうかもしれないけどさ」
うわ言のように獅子神が「わりぃ……」と呟いた。がくりと俯いた顔を覗き込んで、顔色を確かめる。幾分青ざめてはいるが、目の焦点はきちんと合っている。何か話せ、と喋らせても、呂律が回らないということもない。本当に頑丈な男だった。
梅野が廊下の奥に視線を送って言った。
「一応銀行(こちら)で用意した医者が待機していますが」
takamura_lmw
DONE先生お誕生日おめでとうの付き合ってるさめしし。101話までのバレを含む。約一時間半の突貫なので、あとで手を入れます。→1/7修正しました。
お誕生日おめでとう☔️先生。すこやかであれ。
「誕生日、おめでとう」 誕生日を祝われたことがなかった。
成人し、投資家として横のつながりができてから、たまたま会合やパーティの日に誕生日だとバレて飲み歩きに巻き込まれたことはあるが、あれは単に酒の口実にされただけだろう。
オレは誰かに、きちんと、誕生日を祝ってもらったことがない。
だから、恋人の誕生日に何をしたらいいのか、オレには見当もつかなかった。
ネットで調べたところ、付き合って初めて迎える恋人の誕生日のプランとしては、①洒落たディナー、②やや高価なプレゼント、③雰囲気の良いホテルで一泊、などが定番らしい。
ところがうちの村雨先生は、到底定番なんかに納まるようなタマじゃない。こっそり——八割がたはバレている気がするが——尋ねてみたところ、①洒落たディナーよりあなたの作る夕食がいい、②欲しいものは自分で買うし今欲しいのは新しい開腹用の検体、③ホテルのシーツが合わないことがあるので面倒、ときた。
3582成人し、投資家として横のつながりができてから、たまたま会合やパーティの日に誕生日だとバレて飲み歩きに巻き込まれたことはあるが、あれは単に酒の口実にされただけだろう。
オレは誰かに、きちんと、誕生日を祝ってもらったことがない。
だから、恋人の誕生日に何をしたらいいのか、オレには見当もつかなかった。
ネットで調べたところ、付き合って初めて迎える恋人の誕生日のプランとしては、①洒落たディナー、②やや高価なプレゼント、③雰囲気の良いホテルで一泊、などが定番らしい。
ところがうちの村雨先生は、到底定番なんかに納まるようなタマじゃない。こっそり——八割がたはバレている気がするが——尋ねてみたところ、①洒落たディナーよりあなたの作る夕食がいい、②欲しいものは自分で買うし今欲しいのは新しい開腹用の検体、③ホテルのシーツが合わないことがあるので面倒、ときた。
takamura_lmw
DONE診断メーカー(https://shindanmaker.com/392860)「さめししへのお題は『落とし穴にご注意を』です。」より。初出はtwitterです。
🦁くんは感情に潔癖なところがあるのと自己肯定感が底を打ってるので自己嫌悪で大変なことになっているが、☔️さん的には両思いなので告って恋人になったくらいのつもりでいるやつ。このあと拗れてくっつく。
The Fall 人生にはいたるところに落とし穴がある。オークション落ちするギャンブラーなどは分かりやすい例だ。落とし穴はこれ見よがしに掘られている場合もあれば、ほんの小さなくぼみのように見えて、油断しているとあっという間に転落してしまうこともあり、避けられるものも、避けられないものもある。
避けられないと悟った時には、できるだけ傷を少なくする機転が必要だ。落ち方や、そのタイミング、這い上がる準備など。落ちないに越したことはないが、どうしようもなく落っこちてしまった場合でも、備えてさえいれば致命傷にはならない。人よりだいぶ落とし穴の多い人生を、オレは今までそうやって生き延びてきた。
だからきっとこの落とし穴も、そうしてやり過ごせるはずなのだ。
3684避けられないと悟った時には、できるだけ傷を少なくする機転が必要だ。落ち方や、そのタイミング、這い上がる準備など。落ちないに越したことはないが、どうしようもなく落っこちてしまった場合でも、備えてさえいれば致命傷にはならない。人よりだいぶ落とし穴の多い人生を、オレは今までそうやって生き延びてきた。
だからきっとこの落とし穴も、そうしてやり過ごせるはずなのだ。
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DONE荊棘(おどろ)さまのおやしろシリーズ(異種婚姻譚さめしし) 土砂崩れ、人死に、先生が完全に邪神。贄しょたししくんが神様の村雨先生のところに来てから数年後のシーンを書きたくなったので書いた。
しょたししくんがなんで金髪碧眼なのか、って言うのがちょっと関わってますが雰囲気で読んでおくれ。
消失 静まり返った村を歩く。小さいながらも活気に溢れていた様子も今は何処にも無く、流行り病に侵された人間の嘆く声だけが細く聞こえてくるだけだ。そして、この村は消える。病を齎した長雨が、彼等に最期を運んでくるのだ。
村の中心にあたる道を歩いていると、一軒の家の前で男が一人蹲っていた。側に水桶があるのを見るに、何度か動く体に鞭打って病人の為に水を汲みに行こうとした、と言ったところだろうか。どうやら家を出た時点で彼自身も力尽きてしまったらしく、か細い息をしながらなんとか生きている。
「誰、だ……」
男がゆっくりと顔を上げて私を見たが、私は答えない。答える義理がそもそも無い。それでも男は見慣れぬ私の風体に旅人だと思ったのか、距離を取るように家の壁にもたれ掛かった。
2486村の中心にあたる道を歩いていると、一軒の家の前で男が一人蹲っていた。側に水桶があるのを見るに、何度か動く体に鞭打って病人の為に水を汲みに行こうとした、と言ったところだろうか。どうやら家を出た時点で彼自身も力尽きてしまったらしく、か細い息をしながらなんとか生きている。
「誰、だ……」
男がゆっくりと顔を上げて私を見たが、私は答えない。答える義理がそもそも無い。それでも男は見慣れぬ私の風体に旅人だと思ったのか、距離を取るように家の壁にもたれ掛かった。