うえき
DOODLE童貞処女なら確実に銃弾に当たらない世界線の勇作さんと尾形弾耳元を鋭く風が切ったので勇作は振り返った。
後方には進軍する自軍の兵士達で黒々とした道ができている。
先ほど通り過ぎたのは確かに銃弾だった。
勇作は目を凝らし後方を見つめた。
定期的に味方であるはずの後方、自軍からの銃弾が勇作のまわりを通り過ぎる。
あるときは耳元、あるときは首元。
当たるはずがない。童貞である勇作が銃弾に倒れることは万にひとつもない。
だがもしこの旗手が自軍に貞節を捧げるのを止めた時、その頭蓋は早々に銃弾に撃ち抜かれるのだろう。
願ってもないことだ。
手に携えた旗をたなびかせてこの年若い青年将校は微笑んだ。
旗手である自分が貞節を捨てるのは自死に限りなく近い。
先頭に立つ自らが「殺さない」こと、また「死なない」ことで後方を進む部下達の支えになろうとしているのに、その任を放棄するようなものだ。
502後方には進軍する自軍の兵士達で黒々とした道ができている。
先ほど通り過ぎたのは確かに銃弾だった。
勇作は目を凝らし後方を見つめた。
定期的に味方であるはずの後方、自軍からの銃弾が勇作のまわりを通り過ぎる。
あるときは耳元、あるときは首元。
当たるはずがない。童貞である勇作が銃弾に倒れることは万にひとつもない。
だがもしこの旗手が自軍に貞節を捧げるのを止めた時、その頭蓋は早々に銃弾に撃ち抜かれるのだろう。
願ってもないことだ。
手に携えた旗をたなびかせてこの年若い青年将校は微笑んだ。
旗手である自分が貞節を捨てるのは自死に限りなく近い。
先頭に立つ自らが「殺さない」こと、また「死なない」ことで後方を進む部下達の支えになろうとしているのに、その任を放棄するようなものだ。