🌸雨花🌸
DONEちょっとえっちこたつ(R-15) 二人で本を読んでいる夜更け。
いつも一緒に行動してるわけでもないし、ずっと喋っている訳でもないし、ずっとくっついている訳でもない。ただ同じ空間にいるだけで太宰治的には満足なところもあり、なにかに集中している顔を眺めるのも好きだったりする。
けど今回は俺の方がさっさと飽きてしまって、こたつの温もりの中でうたた寝までしてしまった。
少しの時間寝こけて起きたら、肩にはブランケットがかかっていたが、かけたらしい本人は寝る前に見たのと同じ精悍な顔つきで本を読み続けている。
顔の下敷きにしてたらしい本はそっと避けられ、危うく涎を回避…。
「なおや…」
「ん~?」
「一緒に寝よ」
「俺はもう少し本読んだらな、お前はもう一回寝てろよ」
1116いつも一緒に行動してるわけでもないし、ずっと喋っている訳でもないし、ずっとくっついている訳でもない。ただ同じ空間にいるだけで太宰治的には満足なところもあり、なにかに集中している顔を眺めるのも好きだったりする。
けど今回は俺の方がさっさと飽きてしまって、こたつの温もりの中でうたた寝までしてしまった。
少しの時間寝こけて起きたら、肩にはブランケットがかかっていたが、かけたらしい本人は寝る前に見たのと同じ精悍な顔つきで本を読み続けている。
顔の下敷きにしてたらしい本はそっと避けられ、危うく涎を回避…。
「なおや…」
「ん~?」
「一緒に寝よ」
「俺はもう少し本読んだらな、お前はもう一回寝てろよ」
tinacca
REHABILIそろそろ小説の書き方を忘れそうなのと、小説機能のお試しに残り香九月も半ばになり朝夕は涼しくなってきた。ひと汗かいた夜ともなれば涼しいを通り越して寒いくらいだ。志賀は肌寒さに肩を震わせた。薄い掛布をくるくると痩身に巻きつけて、隣で健やかに眠る恋人に、じとりと恨みがましい視線を向ける。つい先ほどの情事のあとはストンと消え失せて、熟れた果実のように鮮やかな髪が彩る顔はいとけない。規則正しい寝息と同じリズムで赤い一房が揺れていた。
「しゃあねえなあ……」
ベッドから無造作に腕を伸ばす。ナイトテーブルの角に引っ掛かったファーの毛足が、かろうじて指先に触れる。少し悩んだあとに引き寄せた。何しろ寒いのだ。
剥き出しの背中に乗せた羽織りから微かに煙草の匂いがする。喫煙者には肩身の狭いご時世だ。図書館内はもちろん、文士の生活する寮も共用施設は禁煙が義務付けられている。充てがわれた私室だけは例外なので、太宰が自室で煙草を燻らせる姿は何度か目にした。けれど、志賀の部屋で吸ったことは一度もない。見た目の華やかさに反して細やかだから、気を遣っているのかもしれない。
747「しゃあねえなあ……」
ベッドから無造作に腕を伸ばす。ナイトテーブルの角に引っ掛かったファーの毛足が、かろうじて指先に触れる。少し悩んだあとに引き寄せた。何しろ寒いのだ。
剥き出しの背中に乗せた羽織りから微かに煙草の匂いがする。喫煙者には肩身の狭いご時世だ。図書館内はもちろん、文士の生活する寮も共用施設は禁煙が義務付けられている。充てがわれた私室だけは例外なので、太宰が自室で煙草を燻らせる姿は何度か目にした。けれど、志賀の部屋で吸ったことは一度もない。見た目の華やかさに反して細やかだから、気を遣っているのかもしれない。
🌸雨花🌸
MAIKING⚠モンハンとしがだざのクロスオーバー作品ですイベント用のものでしたが、完成できなかったので、完成するまでがんばります
(更新予定)
しがだざちゃんと!楽しいハンター生活! 一、
特に何か変わったことがあったという訳でもなかった。
日々の日課である「あらくれ」潜書編成はいつもの通り、俺(太宰)、志賀直哉、小林多喜二の三名。
その他別の三編成は各自本の中へ潜っていると思われる。なんのことはない日常、ルーティンってやつだ。
「だというのに俺たちはいま晴天を仰いでいるのである…」
「それだけだと非日常感が読者に伝わらねえな…」
隣の直哉からそういうことじゃねえんだわっていう感想が飛んで来たんで、伸びきった腹直筋にげんなりするまま「どこに読者がいるんですかねぇ」と返した。
喉から空気が抜けてゆく、俺たちは二人仰向けで…洗濯物のようにして仲良く木の枝にひっかかっているのだった。
9015特に何か変わったことがあったという訳でもなかった。
日々の日課である「あらくれ」潜書編成はいつもの通り、俺(太宰)、志賀直哉、小林多喜二の三名。
その他別の三編成は各自本の中へ潜っていると思われる。なんのことはない日常、ルーティンってやつだ。
「だというのに俺たちはいま晴天を仰いでいるのである…」
「それだけだと非日常感が読者に伝わらねえな…」
隣の直哉からそういうことじゃねえんだわっていう感想が飛んで来たんで、伸びきった腹直筋にげんなりするまま「どこに読者がいるんですかねぇ」と返した。
喉から空気が抜けてゆく、俺たちは二人仰向けで…洗濯物のようにして仲良く木の枝にひっかかっているのだった。