#二次創作

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あかぎ

できた初詣SS、トリを飾るのはデミア√。これでようやく全√コンプ。今までのも含め、ここまでお付き合いありがとうございます。後、今回は元ネタらしさ重視故、ちょい艶やかな表現(R12レベル?)&点数表現がありますのでご了承おばm(__)m。「うわ~、すっごい人だねー。魔法都市でも一年の初めは教会の鐘の音に合わせて神様に一年の願い事をしたり、市場の初売りを楽しんだりするんですよー」
 今年一年のお願いを神様にするべく、社殿へと続く行列の中に華やいだ一輪の花‥もとい、今、隣で一緒に並んでいる世界最高と評される大魔導師デミアが魔法で作り出した彼女そっくりのデコイ人形が初詣で賑わう神社の様子に激しく興味を抱いている。
 まあ、無理もないだろう。なんたって今日はこの娘と過ごす正月三が日の初日で三日後には儚くも消えてしまうのだから。きっと彼女もこの限りある時間の中で精一杯二人の時を楽しもうとしているのかもしれない。
 おっと、のっけからしんみりしてしまったが、この娘はレビュアーの中で常に40点満点を叩き出しているだけあって、例え誰であろうとも必ず相手の好みに合わせてくれるまさにデミアプロデュースのサキュ店(こっちの世界で言う所の××店)本店の孝行娘である。
 現に今日の格好も新年初日にふさわしく、ゴールドイエローを基調とした振袖姿で程よく露出した胸と右足、さりげに施された装飾品がよりデミア本人の魅力を引き出している。パッと見た限りでは銀座の高級クラブのオーナーとしても十分通用するだろう。きっとこのチャンスをよこした神様も内心羨ましがっているのかもしれない。
「確か、こっちではお賽銭を入れてから上の大きな鈴を鳴らした後で二回礼をして、二回手を叩いて、心の中で住所と名前と願い事を言って‥えーと、次は何だっけ?」
 行列に並ぶことかれこれ15分。そろそろ社殿に着く‥と思わせておいて実際は牛の歩みのようにのんびりと進むものだが、さすがにこれ以上待たされたらデミアが風邪を引きそうだな。
「どうしたの?さっきから難しい顔‥クチュン!」
 予想通り、デミアの口からかわいらしいくしゃみが出たのですぐに首にかけていたマフラーを広げ、さっと彼女の剥き出しの両肩にかけてあげる。暖かさを保つためにもきっちりマフラーを整えておくのも忘れずに。
「あ‥ありがとう。でも寒くない?」
 思わぬ気遣いに頬を赤く染めながらも逆にこっちの寒さを気に掛けるデミア。大雪じゃないけどこれだけでも特別な気分である。
 なんてやりとりをしている内に列は無事社殿に到着。お互い、難なくお参りも済ませ、次は屋台巡りへ。
 デミアにはどの屋台が一番喜ぶかな?
 くいっ
「ね、ちょっといい?」
 屋台でのデートプランを考えていると何やらデミアが控えめに袖を引っ張っている。どうやら行きたい所があるらしく、彼女に連れられた所は屋台から少し離れた所にあつ宝物殿の裏。そこに何があるんだろう?
 その時、デミアが振り向き様に顔面を豊かな双丘に押し当てる形で強く抱きしめてきた。
 ギュウウウウ‥
 背中越しに両腕、顔面に双丘の温もりがダブルで伝わってきて、温もりを通り越してオーバーヒートを起こしてしまいそうだ。
「さっきのマフラーのお礼。どう、温まった?」
 優し気な眼差しでこう聞いてくるデミアの両腕の中でこくこくと首を縦に振る。本当は言葉で伝えたかったけど、緊張でこうするのが精一杯だった。
「よかったーっ」
 満面のエンジェルスマイルを浮かべるデミアの顔をちらと見ながらやっぱりいい事をすると必ず何かしら報われるんだなと神様に感謝せずにはいられなかった新年初日だった。

 デミアのデコイ人形と過ごした今年の新年三が日。初詣に行ったり、お手製のおせちや雑煮を味わったり、初売りで賑わう街でデートをしたりと今までの正月の中で最高の三が日でした。これで今年は良き一年になりそうだ。 10点1509 文字

あかぎ

できた初詣SS3人目はイレイナ√です。このSSはデート気分が味わえるようにあえて舞台背景は現代の初詣の状況に合わせてます。ご了承おば。後はデミア√を残すのみ!突然ですがここで問題です。今、隣にいる灰色の髪を綺麗に結い上げた麗しき和服美人は誰でしょう?
「そう、私です」
 弾むような声色でこう答えたのは今、一緒に初詣の後のお楽しみ‥屋台巡りを楽しんでいる灰色の魔女イレイナ。
 今日の彼女の装いも新たな年への澄み渡る気持ちに合わせたかのように鮮やかな瑠璃色の振袖で柔らかな色合いの花の模様があちこちにあしらわれている。それに加え、帯飾りの魔女の証、帯揚げの飴色に輝くファイアアゲートのブローチ、袖や襟からちらりと覗かすレースの飾りもこの振袖の魅力を十分に引き出している。
 イレイナ自身も自他共に認める美貌だけでなく、最年少で魔女になる位の才能に溢れた才色兼備という事もあり、すれ違う度に道行く人の視線をも引き付けている。
 まさか新年早々からこんなにも素敵な娘と一緒に初詣ができるとは神様もどでかいお年玉を用意してくれたものである。
 改めて屋台周辺を見渡すと嫌でも飯テロを引き起こす食べ物系、おみくじ同様、運試しの要素もある遊び系、中にはマッチョの奇術師によるパフォーマンスなんてのもあってとてもじゃないけど一日だけじゃ全部を回り切れなさそう。
「ここの初詣は屋台がいっぱいでとても楽しいですね。あ、次はここの通りに寄ってもいいですか?」
 先程買ってあげたりんご飴を片手にイレイナが更なるエスコートをおねだりする。
 これまでも魔法の箒に乗って色々な所を旅してきた彼女らしく、見知らぬ土地であろうとここでも臆する事なく、旅の思い出を心に焼き付けているのが伺える。だったらその別れの時までは一緒に新年の思い出を作ろう。
 それからしばらくはイレイナと一緒に思う存分、新年の空気に彩られた神社を見て回った。
 巫女さんから無料で配られた甘酒に舌鼓を打ったり、獅子舞にびっくりしたイレイナが思わず魔法で反撃しようとしたり、彼女を見つけためざといファンを巻こうと箒で二人乗りしたり‥特に最後のはアクション物もかくやの逃走劇みたいで心臓が飛び出るのかと思ったけどね。
 そんな楽しい時間もあっという間。さっきまで晴れ渡っていた空も徐々に暖かな色へと変わるにつれ、人通りもまばらになり、しまいには静寂を取り戻した神社に二人だけが残されていた。
「もう少しここにいたかったけどごめんなさい。明日の朝にはここを発つから。けど‥あなたのおかげで楽しい新年を迎えられたわ。ありがとう。また会えるといいね‥」
 橙色に染まる新年最初の夕暮れを背にイレイナと指切りの約束を交わす。これが最後の彼女のおねだりだった。
 別れのシチュエーションは驚くほどあっさりとしていたけど、これまでも行く先々でそうしてきたようにイレイナは今年も箒だけであちこちに赴いては出会いと別れを繰り返し、それを帳簿にしたためるであろう。
 そして、その書記は「魔女の旅々」という書籍となって多くの読者の手元へと渡っていく。
 既にイレイナが旅立った跡を目に自分も彼女のように何かを遺せるようになりたいと神様に願った新年初日だった。1264 文字