warabi_hq
MOURNING双子が進路について喧嘩するタイミングが、北さん卒業後の三年の時だと勘違いしていて、
時系列が合わなくなってしまいました。。
北さん在校中は治の進路についてまだ決まってなかった場合のifの話として読んでいただけたらとおもいます。。
はー、やらかした。
天気雨稲荷崎高校バレー部三年生の引退の日、晴れ渡った青空に、キラキラと小雨がパラついた。
「はは、狐の嫁入りや。誰やろな」
体育館で三年生の最後の挨拶を終え、校門の前で卒業生、在校生、入り乱れて記念撮影をした後、北信介は後輩の宮治を学校の裏山にある小さな社に連れ出した。
山肌に沿って長く連なる赤い鳥居をくぐり、呑気に笑う信介のすぐ後ろを歩きながら、治はなぜ今自分がこんなところに呼び出されたのか、緊張を隠しきれずガチガチになっていた。
どれくらい登って来たのか、眼下には稲荷崎高校のある街の、さらにその先には、信介の実家のあるあたり、広大な緑の景色が広がっている。
「治、何も憶えてないんか?」
「何がですか?」
「ほうか。まぁええわ」
2822「はは、狐の嫁入りや。誰やろな」
体育館で三年生の最後の挨拶を終え、校門の前で卒業生、在校生、入り乱れて記念撮影をした後、北信介は後輩の宮治を学校の裏山にある小さな社に連れ出した。
山肌に沿って長く連なる赤い鳥居をくぐり、呑気に笑う信介のすぐ後ろを歩きながら、治はなぜ今自分がこんなところに呼び出されたのか、緊張を隠しきれずガチガチになっていた。
どれくらい登って来たのか、眼下には稲荷崎高校のある街の、さらにその先には、信介の実家のあるあたり、広大な緑の景色が広がっている。
「治、何も憶えてないんか?」
「何がですか?」
「ほうか。まぁええわ」
warabi_hq
TRAINING🍙の気持ちが、双子から離れて🌾さんに寄っていく過程はどんな感じだったんだろう?という妄想。二人もう付き合ってます。
大人になって二人とも実家を出た前提で、何かの用事で帰ってきてるときの二人の会話。
兄弟喧嘩「なぁ、ツム」
「なんや、サム」
「北さん、今頃何してはんのやろな」
「…………」
治の問いかけへの侑の返答はなく、雑誌をめくる音だけが静かに響いた。
高校を卒業し、双子が二人とも実家を出た今も、実家に顔を出せば部屋にはあの頃と同じ2段ベッドが待っていた。双子が成長したからと言って、家の間取りが変わるわけではない。
「なぁ、ツム」
「なにて」
「北さ「もうわかったわ!!!」」
声と同時に上段に横になっていた侑の腰のあたりの床板が、急に盛り上がり始めた。二枚に分かれた床板の継ぎ目の部分を下段の治が器用に両足を使って押し上げているのだ。
「こらこらこらこら!やめえや!!」
侑が地元を離れて数年。いつの間にか、北さんこと北信介と双子の片割れ治が良い仲になっていた。いつの間にか、と言っても全く心当たりがないわけではない。おにぎり宮を開業するにあたって、いろいろと相談を聞いてもらっている様子だったし、おにぎりに北さんの育てたお米を使わせてもらうことはもちろん、稲刈りの手伝いや、田植え、野菜の収穫、最近では北さんのおばあちゃんのゆみえさんに店を手伝ってもらっていることすらあった。
1835「なんや、サム」
「北さん、今頃何してはんのやろな」
「…………」
治の問いかけへの侑の返答はなく、雑誌をめくる音だけが静かに響いた。
高校を卒業し、双子が二人とも実家を出た今も、実家に顔を出せば部屋にはあの頃と同じ2段ベッドが待っていた。双子が成長したからと言って、家の間取りが変わるわけではない。
「なぁ、ツム」
「なにて」
「北さ「もうわかったわ!!!」」
声と同時に上段に横になっていた侑の腰のあたりの床板が、急に盛り上がり始めた。二枚に分かれた床板の継ぎ目の部分を下段の治が器用に両足を使って押し上げているのだ。
「こらこらこらこら!やめえや!!」
侑が地元を離れて数年。いつの間にか、北さんこと北信介と双子の片割れ治が良い仲になっていた。いつの間にか、と言っても全く心当たりがないわけではない。おにぎり宮を開業するにあたって、いろいろと相談を聞いてもらっている様子だったし、おにぎりに北さんの育てたお米を使わせてもらうことはもちろん、稲刈りの手伝いや、田植え、野菜の収穫、最近では北さんのおばあちゃんのゆみえさんに店を手伝ってもらっていることすらあった。
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TRAININGちょっとした喧嘩未遂からの仲直り嫉妬その日、北信介は、おにぎり宮の2階、宮治の居室の台所で絶望していた。
つい先日、祖母に分けてもらった上等のクリームクレンザーで、この部屋にあるいくつかの鍋の、ちょうど半分をピカピカに磨き上げた後のことだった。
「残りはまた今度」
そう言って帰宅し、そして今日がその「また今度」だった。
日々使い込まれ、焦げ付いて茶色くなった鍋を綺麗に磨き上げる作業は、この上なく心地よい時間だった。今日という日を楽しみにしていたと言っても過言ではない。
ところが。
「なあ、治。鍋、傷だらけやんか」
不器用にところどころまだらに残った汚れと擦り傷で、鍋は見るも無惨な姿になっていた。
「………はい。すんません」
背後から、この部屋の主のしょぼくれた声が響く。高身長なはずの彼にしてはかなり下の位置からだった。たぶん自主的に正座をしているのだろう。
1523つい先日、祖母に分けてもらった上等のクリームクレンザーで、この部屋にあるいくつかの鍋の、ちょうど半分をピカピカに磨き上げた後のことだった。
「残りはまた今度」
そう言って帰宅し、そして今日がその「また今度」だった。
日々使い込まれ、焦げ付いて茶色くなった鍋を綺麗に磨き上げる作業は、この上なく心地よい時間だった。今日という日を楽しみにしていたと言っても過言ではない。
ところが。
「なあ、治。鍋、傷だらけやんか」
不器用にところどころまだらに残った汚れと擦り傷で、鍋は見るも無惨な姿になっていた。
「………はい。すんません」
背後から、この部屋の主のしょぼくれた声が響く。高身長なはずの彼にしてはかなり下の位置からだった。たぶん自主的に正座をしているのだろう。
polarbear_b_s
MOURNING去年書いたものの、二人をどうくっつけようか考えているうちに、別の話で戸森君の人物設定を他のキャラで使っちゃったので(背が高いから雇われた等)もう使えないから供養ですきっかけは戸森君 今年の晦日はちょうど定休日にあたる曜日だったので、おにぎり宮は12月29日をもって年内営業を終了し、晦日に大掃除をして大晦日からのんびりすることにした。
経営もやっと軌道に乗り出しバイトを雇う余裕もできて、初めて雇った戸森という青年はおっとりとしているがよく気の効く働き者で、初めて雇う側に立った治にしたらとてもやりやすい相手だった。その戸森と二人で朝から普段できない棚の奥や冷蔵庫などを念入りに掃除していた。
あと2日で新年ということで街もざわめき、店の前の通りも人通りが多い。
「戸森君は帰省せんの?たしか奈良の方やったやんな?」
棚から食器を取り出して拭き掃除をしていた戸森は振り返ることなく返事をした。
3419経営もやっと軌道に乗り出しバイトを雇う余裕もできて、初めて雇った戸森という青年はおっとりとしているがよく気の効く働き者で、初めて雇う側に立った治にしたらとてもやりやすい相手だった。その戸森と二人で朝から普段できない棚の奥や冷蔵庫などを念入りに掃除していた。
あと2日で新年ということで街もざわめき、店の前の通りも人通りが多い。
「戸森君は帰省せんの?たしか奈良の方やったやんな?」
棚から食器を取り出して拭き掃除をしていた戸森は振り返ることなく返事をした。