8/17 インテ サンプル「まるでサイダーみたいに」 激しく夏の虫の音が響き渡る。疲れた頭にはガンガンと騒音のように鼓膜を震わせる。また、夏が来てしまった。照りつける日差しは一層強く、夏を忘れるなと言わんばかりに熱を放射する。
「あつ、」
あの人は去年卒業したから、もうこの東京合宿には参加していなかった。あたりまえ。師とは同じコート上で正式な試合はできない。
月島にとって黒尾鉄朗という師は、一言で言うと越えられない存在。春高で烏野のチームとして勝ったものの、ブロックもディグも全部が全部同等にできたわけではなかった。
練習試合中何を考えているんだか。首を軽く振った矢先、普段ならあり得ないミスをしてしまった。練習試合終了後、日向に月島は一言もらう。
「月島さんは今日集中してないんですか!」
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