11月の進化リお題文章「うわぁ、懐かしい!」
シンがとある絵本を手に取った。アブトは隣から覗き込む。
「『おおきなかぶ』か」
「知ってるだろ?」
「もちろん」
シンはパラパラめくりながら最後から一枚戻ったページを指差した。
「ネズミがものすごい力持ってたってこと?」
「いや、違うだろ……」
「え、でもネズミが来なかったら引き抜けなかったんじゃないの?」
「ネズミが一番力があったら怖いだろ」
シンは絵本をスッと撫でた。
と、一瞬のうちに光がふたりを取り囲んだ。
「えっ⁉︎ なに……」
「眩し……」
ふたりが目を開けると、おばあさんの格好をしたタイジュ、まご娘の格好をしたハナビ、犬の様な格好をした……シマカゼ、猫の様な格好をしたヤマカサ。
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