豪運ならず、幸運なる娘「はぁ…元気かなぁ…」
中央本部チームのメインルームでひたすらため息をつく。下層へと行ったブラウンの事がずっと気になっていて、あまり仕事に集中できない。
大丈夫かとチーフさんが気にかけてくれたけれど、昔からずっと隣にいたからどうしても気にかけてしまう。
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「あっ…あの…!」
「ん〜?どうしたの?」
「私と…勝負してくださいっ…!」
「…え?」
「オノリオっていいます…!あなたの事…有名になる前からずっと見てまして…!」
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懐かしい思い出に浸りながら、机に突っ伏す。あの頃は緊張して幸運が発揮できるか不安だったなぁ…。
「あ〜いたいた。元気〜?」
聞き慣れた声が聞こえてくる。驚いて身体を起こすと、ブラウンが目の前にいた。
「寂しがってたって聞いたからさ〜。少しだけでも顔を出そうかなって思って。」
チーフさんが気を利かせてくれたのだろう。折角だから、昔みたいに一回勝負をしたい。初めて話しかけた時の、心臓が跳ねるような勝負を。
「ねぇブラウン…。一勝負していかない?