☓番出口気づけば、薄暗い場所に常闇は立っていた。
先程まで、街中で…ああ、そうだった。子供の個性を浴びたのだった。泣きじゃくる子供を発見し、親を探していた途中。無意識のうちに子供が個性を発動させ、もろにそれを食らってしまった。無意識の個性の発動を急遽防ぐには、さすがに常闇も黒影にも難しかった。
一体どのような個性だったのか、現在の状況を改めて確認しても、まったく想像がつかない。薄暗い、まるで地下道のような場所。不衛生というわけではないが、どこか人を不安にさせる雰囲気があった。どこかに飛ばす個性か、はたまた今いる場所は現実ではなく仮想空間なのか。黒影に呼びかけても反応がないことから、おそらく後者であろう。
ひとまず、常闇は通路を歩いてみることにした。一本道の通路は、特に変わったところはない。そこまで広くもなく、曲がり角をいくつか曲がると、黄色の看板のようなものが壁にかかっているのを発見した。
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