タイトルあとで考える アッシュに湯船を提供すると、ムラビトはその足で再びキッチンに戻った。
片手鍋に牛乳を注いで火にかける。温まる間、薬草の入った瓶を取り出す為に戸棚に向かった。真っ先に乾燥させた白い小花の瓶を手に取る。カミツレだ。それから、独特の花が咲く時計草の葉の入った瓶もテーブルに置く。西洋弟切にも手を伸ばし掛けたが、やめた。王都で処方された薬を持ち帰っている筈だ。併用するべきではない。代わりに、壺草を入れることにした。独特の苦味があるので味を損なうかも知れないが、仕上げに少量を入れる程度なら主張し過ぎることもない筈だ。吟味している間に温まった牛乳に、乾燥させた花や葉を入れる。片手鍋を時折回し揺らしていると、真っ白だったミルクがほんのりと色付いていく。仕上げに壺草を入れ、茶漉しを通してティーポットにミルクティーを注いだ。トレイの上に乗せ、冷めないようにポットカバーを被せる。それから、最後に二人分のマグカップとハニーディスペンサーを乗せた。ディスペンサーの中身の蜂蜜はすだちの花の蜂蜜だ。
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