オルシュファン似のリテイナーの独白うちの主人は気ままな俺をどこまでも許してくれる。ちゃんと仕事はしてるさ、でもあとは特に注文もなく、他愛無い話をして終わり。今日の食事、寝癖がついてるとか、そんな下らない話。
別に仕事に支障があるわけじゃないし、俺的にはウェルカムなんだけど、時折…いや、頻度的には結構、か。
俺と話してる時、ふと何かを思い出したような感じで、主人の瞳が曇る。笑い方もどこかぎこちないし、なにより、悲しそうに笑うんだ。
もう会えない誰かさんに俺を重ねてるのか、誰かさんを重ねた俺に罪悪感を感じているのかは分からない。
ただ、あんな顔をさせるほどの奴が、あんたの中にいるんだな…と思うと、なんかチクリと胸が痛むんだ。