主将。「今年の烏野、主将ぱっとしねーな。」
どこからか聞こえてきた言葉に、これだから上辺しか知らない奴はなどと思うくらいには、俺らは烏野を知っているんだろう。確かに去年の主将は、がっちりした体格に安定したバレー、どっしりと構えた雰囲気とTHE主将って感じだったしその通りな人物だったと思う。比べて今年の主将、縁下は確かに見た目も雰囲気も柔いというか頼りになる主将のイメージではないかもしれない。
が、ちょっと考えれば想像すればわかることなんだよ。おまえら、あの曲者揃いのチームで主将張るってことがどういうことかアレらをまとめ率いるということが出来るからこその主将ということがどんな意味を持つのか。想像してみろよバーカ。俺ならごめんだね。猪突猛進TOP2な同級生、2年に変人コンビ、性格悪そうなブロッカー、やなピンサー。それらの手綱をとって1年の面倒も見てってそれが出来る主将がぱっとしない人間なわけねぇだろーよ。
「なぁ、縁下。お前の外見詐欺だよな。」
「いや、二口。なんで会って早々そんな暴言なわけ?」
きっと練習試合とか諸々で連絡取り合うくらいには知り合いになってる二口くんと縁下くんがいるハズだという妄想。