禁を犯して追放されたので子育てしてたら片思いの人と再会できました泉にちゃぷんと手を入れた。
すくって口元に近づけようとした時、ズキンと背の傷が痛んだ。十分に口の中へ水を流す前に全てが指を通り抜け、こぼれ落ちる。もう一度やってみも同じだった。背が痛み、水を両手で溜める動作ができない。すくって飲む事はあきらめる。
指についた水滴をなめ、それを繰り返した。ある程度喉が潤ってきたところでフウと息を吐く。
「ぅ…ッ」
呼吸を深くすると背中にできたいくつもの傷が刺すように痛む。血を吸って重たくなった衣服を脱ぎ棄てた。白い絹のような素肌には不釣り合いな、おびただしい傷が現れる。
傷の状態を指先で触って確かめた。森で手に入る薬草を塗ってはいるものの、傷は一向に回復せず悪化するばかりだ。
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