君のせい「君は、本当にお節介だよね」
どうしてこうなったのか。
僕は今、肩を支えられながら彼と吉祥寺駅までの道を歩いている。
「……明智さんだって多分、逆の立場なら同じことをしただろう?」
そう問いかけながら、彼―――雨宮蓮は僕をすぐ傍に設置されていたベンチに腰掛けさせる。そして自分もわざとらしくどっこいしょ、などと言いながら隣に腰を下ろした。
……なぜ都合よくベンチがある。なんて、苛立ちを公共の設備に投げても無意味だ。
特に、この世界の一月、なんて。
「タクシーでも拾うから、平気なんだけど?」
「じゃあ、そのまま俺も乗って家まで送る」
「君にそこまで甘えたいとか、僕は微塵も思ってないんだけど?」
「俺が送りたいだけだし、明智さんが思ってるかどうかはどうでも……どうでも? あ、ごめん」
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