キス高校何年生だったろう。
毎日つるんでいた友達のうち1人。山田。
急に付き合いが悪くなった。
一緒に帰らない。
マックも付き合わない。
ゲーセンで無駄遣いもしない。
地元の床屋じゃなくて美容室に行って、ある日、鼻の穴を膨らませ、胸を張って宣った。
「彼女ができた」
仲間内で、マジかよーとか、ムカつくとかふざけて笑っていじり倒しながら、内心ショックを受けていた。
おれ達は、進級するみたいにせーので大人になるんだと思っていた。
突然そいつが大人になったようで、置いていかれたような、裏切られたような気分だった。
「キスした」
「セックスした」
おれの(俺達の)ショックに気付くこともなく、山田の報告はあっという間に行くところまで行き着いた。
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