そのうち若モリとあしやが殺し合うことになる話の冒頭「というわけで、つき合いたまえマスター君」
「まず、『というわけで』の前を丁寧に説明して」
日替わりA定食に舌鼓を打っていた立香は、断りもなく向かいの椅子に座って説明を9割はぶいた青年に、キレのあるツッコミを入れた。
♢
「これは失礼。私の頭の中では完結事項だったのでね。しかし、君には改めて説明が必要だった」
「そうなんですよ。で、何があったの」
すぐに冷静さを取り戻した立香は、ブリの照り焼きに箸を入れながら先を促した。
青年ことモリアーティは、肩を軽くすくめた。
「さすがは数多のサーヴァントを従えるマスターだ。話が早くて助かるよ。事の始まりとしては、私が悪人同好会の入会テストを受けることになったんだ」
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