🐊🦩「ッぁ、」
カツン、とつま先が普段は物がないはずの場所で突っ掛かり危うく転倒しそうになる。幸い、咄嗟に本棚に手をついたおかげで転ばずに済んだが。ドフラミンゴは小さくため息を吐いて、迷惑そうに眉を顰めながら屈み込んで足元に落ちている何かに手を添えて、その物体を手触りに確認する。
「…はあ、全く…誰がこんなところに」
本の山が積まれている、しかも1冊ではなく10冊ほど積まれての山だ。
いつも朝本の整理をしてくれる品出しのアルバイトはとてもマメで、この様なミスはしないはず。だとすればこの本屋に来た客の誰かが悪戯にこの様な場所へ本を積み上げていったのだろう。わざわざ会計横の出入り口前に。
「クソガキどもが…」
おそらくこれは近所に住む子供達の仕業だ。無邪気ながらの悪魔の様な所業、色がぼんやりと浮かび上がるくらいしか視界に写せないドフラミンゴに対する悪戯の発想は。陰湿で子供っぽくて呆れてため息しか溢せない。
3901