要くんはVTuberになりたい!サンプルサンプル
「VTuberやろうと思うんだけど、どう思う?」
ある晴れた日の昼休み。いつものように屋上に集まって昼食を摂っていると、また要くんが突拍子もないことを言い出した。お弁当から顔を上げて要くんの方を見ると、その目は真剣さを帯びている。あぁ、残念なことに聞き間違いではなさそうだ。
土屋先輩は『VTuber』と目を輝かせているが、ものすごく面倒なことになりそうな予感がする。聞かなかったことにしたい気持ちを抑えつつ、僕は口に入っていた卵焼きを飲み込んで要くんに聞いてみた。
「……VTuberって、あの?」
「またなんか下らねェこと言い出したなコイツ」
「まあまあ藤堂くん。とりあえず話は最後まで聞きましょうよ」
1247