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    正崎⚾️

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    3/30インテ大阪 直球リメンバー3
    2号館 さ04b 《引越しマーク》

    新刊 「要くんはVTuberになりたい!」
    A6/24p/全年齢
    忘バcpなしギャグ小説

    ⚠小✋指ッコがわちゃわちゃしてるだけの本です
    ⚠⚾してません

    要くんはVTuberになりたい!サンプルサンプル


    「VTuberやろうと思うんだけど、どう思う?」

     ある晴れた日の昼休み。いつものように屋上に集まって昼食を摂っていると、また要くんが突拍子もないことを言い出した。お弁当から顔を上げて要くんの方を見ると、その目は真剣さを帯びている。あぁ、残念なことに聞き間違いではなさそうだ。
     土屋先輩は『VTuber』と目を輝かせているが、ものすごく面倒なことになりそうな予感がする。聞かなかったことにしたい気持ちを抑えつつ、僕は口に入っていた卵焼きを飲み込んで要くんに聞いてみた。

    「……VTuberって、あの?」
    「またなんか下らねェこと言い出したなコイツ」
    「まあまあ藤堂くん。とりあえず話は最後まで聞きましょうよ」

     呆れたように目を細める藤堂くんとは反対に千早くんはニヤニヤしていて、面白い玩具を見つけたとでもいう気配を隠さない。それで? とおにぎりを片手に続きを促す千早くんを気にすることなく、要くんは得意げに話し出した。

    「やっぱり今の時代のモテる男っていえば、SNSが大事だと思うのよ。友達が撮った何気ない動画がYouTubeとかTikTokなんかに勝手にアップされちゃっててー、知らない間にそのショート動画がすっごくバズったりなんかしちゃってー、それで全世界に注目される人気者になっちゃったりしたら、バーチャル以外の現実でも女子にキャーキャー言われるようになっちゃったー、ってのが令和の王道モテパターンなわけ」
    「なるほど……? でもそれでVTuberってどういうことかな?」
    「今の時代は人気インフルエンサーといえばVTuberじゃん? ということは、これはもうVTuberになるしかなくない?」
    「ぶふっ」
    「ごめん、なんて?」
    「ちょっと2人とも!」

     目をキラキラさせながら熱の入った語り口調で話し出した要くんのセリフに、千早くんは最後まで聞き終える前に吹き出した。斜め向かいで最後まで聞いてた藤堂くんは理解が追いついてないようで頭の上にハテナが浮かんでいる。かくいう僕も話自体は聞いていたが、内容についてはあんまりよく分からなかった。VTuberって顔は出ないのに、実生活でもモテるかな?
     うんうんと頷いてくれる土屋先輩を始め、鈴木さんと佐藤さんも、「VTuberになるってすごいよね〜」などとヘンに感動している。うちの先輩方は本当におおらかで優しいな。

    「2人とも笑ってるけどよく考えてみてよ。俺って一応 記憶喪失で過去のことはあんま覚えてないし、もう1人の人格はなんかめっちゃすごい智将がいる多重人格者って、めちゃくちゃ漫画の主人公みたいじゃない?」
    「そうだよね! 二次元キャラみたいでカッコよすぎるもんね!」
    「いやまあ、要素だけ書き出したらそうなんですけど。要くんは決定的にネットをやらない方が良いタイプだと思いますけどね。すぐに特定されてトラブルになりますよ」
    「うわ〜……目に浮かぶわ。親を困らせるマネだけはすんなよ」



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