「いいね〜!そのポーズほんッと決まってる!」
「そお?嬉しい〜」
「何をやっているんだ……」
中庭が騒がしいと思って料理の手を止めたルークが木ベラを片手に窓から見れば、何やらポーズを決めているデステニーと、その周囲をぐるぐる回りながらスケッチをしているナツ子がいる。
「おい、もう直ぐ夕食だぞ。デステニーも食べていくんだろ。少しは手伝え、ナツコ」
「もうちょっと、もうちょっとなんだって!」
何やら真剣な表情でデステニーを見つめながら、紙に高速でスケッチをしているナツ子にため息をつき、ポージングの姿勢を崩さない見事な筋力でもって動きを止めているデステニーを交互に見たルークは、諦め半分に小さく呟いた。
「なんで毎回デステニーが遊びに来ると、そんな真剣にスケッチしてるんだお前は」
1999