まじまが眼帯をつけてもらう話なにかが弾ける軽い感覚がした。嫌な予感がし、左目を隠すようにそっと押さえながら、地面に視線を落とした。予感は的中し、己の左目を覆い隠していたはずの眼帯が落ちていた。真島は素早く拾い上げるとため息をつく。そして、あることに気付いた。
手ぇ、届くんか…?
***
真島は悩んでいた。外れてしまった眼帯を自分でつけることができないのだ。それは、自分が突然テディベアになってしまった時よりも大きな悩みだった。
組の誰かにつけてもらうか。気が滅入る。いっそのこと全く見知らぬ誰かがいいのかもしれない。テディベアになってしまったからには楽しもうと思っていた真島であったが、今すぐに元の姿に戻りたくてたまらない。まあ、そのうち戻るだろうと楽観的に考えていたが、いつ戻るのか?──戻れるのだろうか?
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