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    asaki

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    asaki

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    ※コンミスいます※
    ※なんでも許せる方向け※
    改めて、仁科のホーム画面の朝のあのセリフ聞いて
    「あんなことすんなり出てくるなら、しょっちゅうやってるってことですよね」
    としか思えなかったので供養しておきます。
    オチなどはない。

    ##笹仁
    #笹仁
    sasahito

    【笹仁】専用のアレ「コンミス、眠そうだね。膝枕でもしようか?」
     寝ぼけ眼のコンミスにそう声をかけると、一歩分の距離を取られた。
    「冗談だよ?」
     笑ってそう返すと、コンミスは先程までの眠気はどこへやらぶんぶんと左右に頭を振った。
    「私ごときが、そんな恐れ多い」
    「大袈裟じゃない? 男の膝枕なんて減るものでもないし」
     女性にしてもらうのは恋人やそれに近い間柄での特権だと思うが、男の膝枕にそこまでの価値はないと思う。冗談とはいえ勧めておいて言うのもどうかと思うが、恐らく硬いので心地は良くないだろう。
    「えーと、その、ですね」
    「コンミス?」
    「仁科さんのお膝は、利用される方がいらっしゃるというか、専用というか…その、」
     コンミスは言いにくそうにもじもじと視線を彷徨わせており、仁科はなんのことだろうなと首を傾げた。
    「あの! 笹塚さんのだと思うので!!」
     コンミスは意を決したというように、ワッと声を上げる。
    「―――え?」
    「じ、実は何度かお見かけしてまして……」
    「……い、いつ?」
    「森の広場で…」
     誤魔化せるだろうかと聞いたのが良くなかった。
     仁科は大いに思い当たる回答を得てしまい、思わず両手で顔を覆った。
     確かに森の広場で何度か笹塚に膝枕をしていた記憶がある。しかし、膝枕を積極的にしているのではなく、笹塚が無遠慮に膝に倒れ込んでくるものだから逃げるに逃げられないのだ。
    「あれは、笹塚が…」
    「あら、そうなの? 仁科くんが幸せそうな顔をしていたので合意の上かと」
     誤解を招くような言い回しで、香坂がひょっこり顔を覗かせる。
    「妬けてしまうわ、あんな風に見せつけられては。ねぇ、コンミスさん?」
     ほぅと甘いため息をついて香坂がコンミスに同意を求めれば、コンミスは素直に「はい!」と元気な返事をしている。
    「ほんと誤解だから」
     頼むから変な方向に吹聴しないでほしい。
    「それなら笹塚くん本人にきいてみたらどうかしら」
     香坂の声に振り向くと、笹塚がのっそりと背後に立っている。
    (気配消してたな…)
     この場から逃れたい仁科は、状況を掴めてないだろう笹塚であれば適当に誤魔化せるはずだと思ったが。
    「俺以外、使わせる予定はないけど」
    「だそうよ」
     香坂はにっこりと綺麗な笑みを浮かべ、勝利にご満悦だった。
    「笹塚、おまえあとでちょっと…」
     これは諌めておかねば、おかしな方向に噂が流れてしまう。ネオンフィッシュ的にも良くないはずだ。
    「今更だろ。前からしてるのに」
    「ささづかぁ!!」
     仁科の声は菩提樹寮に響き渡ったが、怒らせた本人はどこ吹く風で。
     香坂とコンミスの生暖かい瞳に見守られつつ、仁科は笹塚を引きずって行ったのだった。

    fin.
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    related works

    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.3 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※R18はつけていないですが、行為が匂わされる表現があったり、甘めだったりするので苦手な方はご注意ください。

    『GRADATIONS』>#0「Colorless Color」#1,#2「Colored Notes」#3「like a FISH in water」から続いている連作です。
    One Identity#4

     素肌の背の下に敷かれた固いシーツに大きく皺が寄った。
     菩提樹寮の笹塚の部屋に備え付けられた簡素なベッドに両手首を押さえつけられ、半身で乗りかかられるような形で、もうどの位の時間が経ったのだろう。西日が射しこみ、夕暮れの赤い光が眩しく室内を満たす中、呼吸まで浚うような長いキスをずっと施され続けていた。
     覆いかぶさった熱。身長は俺と同じはずなのに、がっちりとした恵まれた体格を存分に生かし、その腕の中にいともたやすく全身を閉じ込められてしまう。
     二つの唇と舌が絡み合う湿った音と、せわしない息遣いだけが静まり返った部屋に響く。いくら人の気配が多くて騒がしい寮内とはいえ、声を出すことも、物音を立てることにも細心の注意を払わなければならないのに、ひとたびこうなってしまえばどちらも止めることができなくて、そのまま行為に及んでしまったことは、これまでにも何度かあった。
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    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.2 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※コンミス出ます
    後日談は近日中に公開予定です。
    『GRADATIONS』
    #0「Colorless Color」から続いています。
    「like a FISH in water」に続きます。
    Colored Notes#1

    「コンミスが俺たち二人に用事ってなんだろうな」
     眠たげな眼で隣をのそりのそりと歩く笹塚に声を掛けると、眼鏡の奥が唐突に思い出したように、剣呑な目つきになった。
    「……むしろ俺はさっきの全体錬の時のカデンツァに対して、朝日奈に言いたいことたくさんあるけど」
    「あのな。それは一ノ瀬先生からも、まずパート練に持ち返るって話になったただろ。蒸し返さずに今はコンミスの話をよく聴けよ?」
    「善処はする」
     スターライトオーケストラに参加することを決めて、笹塚と共に札幌と横浜を行き来するようになって数か月がたち、短期間での長距離移動にもようやく慣れて、週末は横浜で過ごすことが当たり前になってきていた。土曜日の今日も朝から横浜入りをした後、木蓮館での合奏練習を終えて、菩提樹寮へと向かう所だ。首都圏での拠点がスタオケ加入と同時に自動的に確保されたのは、笹塚と俺にとっても有難い話だった。
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    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.2 展示作品
    本編前(ねつ造)
    笹塚くんが仁科くんの音に初めて出会った日の話

    『GRADATIONS』(5編連作)
    #1『Colored Notes』に続きます…!
    Colorless Color #0

     無色透明。透明な水のようなヴァイオリンの音色だと思った。色のない、とても澄んだ。滔々と流れていく水のような音色。
     まるで、アクアリウムの水槽を満たす水のようだ。色とりどりのライトで照らせば、無限に思い通りに色彩も雰囲気も変えられる水槽の水。
     透明な音。癖のない音。無限に表情を変えられる音。
     個性がないというのとは全く違う。高い技術の奏者にありがちな、変に主張めいた音色の出し方やこれみよがしな自我や癖がない。どこまでもクリアだった。
     音楽以外で例えるのならば、思い通りの色を思い通りに乗せられる上質なキャンバスだ。乗せたい色を損なわない。
     これが、自分がずっと求めていた音だと思った。

    **

     明け方まで一睡もせず集中して作曲を続けていたから、授業に出席はしたものの、朝からずっとやる気が起きずに、ほぼ眠りの世界にいた。それでもいったん学校へ出てきてしまった以上、睡眠のためだけに家へ戻るのも面倒くさくて、午後は校内の人目につかない場所へ移動しようと思いついた。
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