【蘭カミュ】シャンパンと美人は手がかかる 高級ホテルのスイートルーム。
ワンフロアすべてがその一室の為にあつらえてあると言っても過言ではないそこに、蘭丸は立っていた。
(…………嫌な予感しかしない)
エレベーターを降りてから、背中に妙な冷や汗が伝う。こんな風に緊張するのはいつぶりだろうか。
嶺二との番組である「まいど!アイドルらすべがす」の罰ゲームでこの場に放り込まれているのだが、あまりにも罰ゲームにそぐわない状況に混乱する。いつもであれば心霊トンネルだの、激辛料理だの、バラエティの名に恥じない過酷かつ面白系罰ゲームの実施が待っているはず――なのだが。
普段はゲストと対戦し、嶺二と一緒に罰ゲームを実施することが多い。今回は珍しく対戦相手が嶺二だったために、罰ゲームを受けるのは蘭丸一人。そしてその罰ゲームの内容を考えたのは嶺二だ。
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