漫反射(乱反射)第四話ーーある夜 ESドリンクスタンド前ーー
鉄虎と一彩が話しているところに、晃牙が出くわす。
こんな夜に残っている人間はいないと思っていた晃牙。
さっさと挨拶だけして帰ってしまった晃牙だったが、残された二人の会話が耳に入る。
「……風早先輩……一人……泣……」
「待て待て!今夜は戻らねぇ方がいいんじゃねぇか!?」
ドアを開けた瞬間に泣いている様子など見たくない!と焦る晃牙。
ーー翌朝 星奏館キッチンーー
折角夜まで残って練習をしていた晃牙だったが、巽のことが気になって集中出来ず、
しかも練習室の床で寝込んでしまっていた。
自分は部屋に帰らずに、レオンの世話を頼んだほうが巽が癒やされるのでは?と思案する晃牙。
そこへ、運悪く巽がやってくる。
帰宅しなかったことや体調について問われるが、自分は今夜も帰らないと返答。
そこへ鉄虎が合流するが、鉄虎と晃牙の話がどうにもチグハグに。
鉄虎は晃牙の様子がおかしいと心配する。
晃牙を見送った巽は、鉄虎に対して感謝を伝えることがあると話しかける。
「今回はあなたと千秋さんの助けに感謝しています。このサンドイッチをぜひ受け取ってください」
自分はほとんど役に立っていないという鉄虎。
「強いていうなら、守沢先輩の方がしっかり考えてたッスね。最後にあんなことになるとは思っても見なかったッス」
ーーある夜 ESドリンクスタンド前ーー
「つまり、千秋先輩が泣いているところを見た人はいないんだね」
「そうッスね。忍くんや翠くんにも確認したッスけど、誰も見てないらしいッスから」
鉄虎と一彩が、千秋が泣いていた事実がないことを確認しあっている。
千秋の話は、誰かの話に見立てただけの、千秋自身の話だったのではないのか?
では、本当は誰が泣いたのか?
「もしかして、千秋先輩には本当に「友人の友人」がいるということかい?」
ーー同じ日の共有ルームーー
巽と千秋が話をしている。
「夜遅くにお邪魔してすみません」
「ここには二人しかいない!遠慮なく入ってくれ!」
お節介ですがと、巽は千秋に直接的に手助けをするべく角を突き合わせていた。
千秋は、巽から相談されるものとばかり思っていたが、どうも様子がおかしい。
巽は自分がホストになるので、抱えた問題を打ち明けてほしいと、千秋に質問し始める。
「ちょっと待て!?俺は問題ない!」
特撮映画を見て泣いた時の話を巧みに聞き出されてしまった千秋は、自分が泣いたと巽に思われていることにやっと気がつく。
「友人の友人の話だと言っていたのは、自分のことだと気がついていないのか!?」
「大丈夫です千秋さん、わかりました」
「いやいやいや、わかってないだろう!」
押し問答しているところへ一彩と藍良とマヨイ、鉄虎がやってくる。
「千秋先輩、どうして巽先輩の肩を掴んでいるんだい?」
「待つッス、一彩くん落ち着くッス!」
「あ、え?なぜ入室早々みんな抱き合っているんですか……?わ、私も抱きしめたほうがいいですかぁ?」