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    ゆきしろ

    @yukishiro_f

    知盛の女。
    センシティブな絵か作りかけの何かの置き場所。
    鍵:Twitterのフォロワーならわかる私の誕生日4桁の半角数字

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    ゆきしろ

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    村雨×梓。村雨と一緒に現代に帰還したif (?)。もだもだSS話。
    無印の村雨ルートしか攻略していない上に、大団円もまだで、
    幻燈ロンドで現代エンドあるって聞いただけのミリしら時空のため、
    なんか間違ってたらゴメンナサイ(。-人-。)
    一応続きがあるので、1月25日のオンリーイベントでペラペラ本にして撒きます。

    #里谷村雨
    riguVillageRain

    「雪に染まる日」(※冊子「彼が消えた日」の冒頭部分です)雪がちらつく一月の夕暮れ、梓は村雨の部屋で数学の宿題と格闘していた。
    リビングの小さなテーブルに教科書とノートを広げ、時折ため息をつきながらペンを走らせる。
    机の向こうでは村雨が原稿用紙に向かって万年筆を動かしている。
    時計の秒針の音だけが静寂を刻んでいた。梓は問題を解く手を止めて、彼の横顔を見つめた。
    集中している時の村雨の表情が好きだった。
    眉間に小さな皺を寄せ、時々唇を軽く噛む。どこか少年のような一面を垣間見せる瞬間だった。

    「村雨さん」

    梓が小さく声をかけると、村雨は顔を上げて困ったような笑顔を浮かべた。

    「……ん。何度も言ってるつもりだが、家では里史でいい」
    「あ。でも...なんだか慣れなくて」

    梓は頬を赤らめて視線を逸らした。付き合い始めて3ヶ月が経つというのに、まだ彼を名前で呼ぶことに照れを感じてしまう。

    「そうか……。まぁ、強制はしないさ」

    村雨は常に紳士的で、手を繋ぐことさえ慎重だった。キスも、ほんの数回しかしていない。
    付き合い始めてからも村雨は慎重だった。手を繋ぐのも恥ずかしそうにするし、キスも軽く唇に触れる程度。
    梓がもう少し踏み込んだスキンシップを求めても、「君はまだ若いから」と言って距離を置こうとする。
    そんな彼の姿勢に、梓は時々もどかしさを感じていた。本当に私を愛してくれているのだろうか、と不安になることもあった。

    「数学……難しいか?」

    村雨が原稿用紙から顔を上げて尋ねた。

    「微積分が全然わからないんです」
    「……見せてみろ」

    村雨は梓の隣に座って、ノートを覗き込んだ。彼の体温が近くに感じられて、梓の頬が熱くなる。

    「あー、俺もあんまり覚えてないな……。確か、ここを、こう置き換えて……。そうそう、こうだこう」

    村雨の手が梓の手に重なって、一緒にペンを持つ。その手の温かさに、梓はドキドキが止まらない。

    「わかったか?」
    「はい...」

    実際には全然頭に入っていなかった。村雨の近さに意識が集中してしまって、数式なんて見えていない。

    「じゃあ、次の問題も似たような感じだから。お前さん自身でやってみろ」

    村雨が自分の席に戻ろうとした時、梓は咄嗟に彼の袖を掴んだ。

    「あの……、もう少し……隣にいてください」
    「梓……」

    村雨の表情が揺れる。梓は立ち上がって、彼の前に立った。

    「村雨さん」
    「何だ?」
    「私のこと……本当に好きですか?」

    突然の質問に、村雨は戸惑った。

    「なぜ、そんなことを聞く?」
    「だって……全然触れてくれないし、その、キスも……」

    梓の声が小さくなる。村雨は梓の肩に手を置いた。

    「君を大切に思っているからだ……。わかれ……」
    「でも私は……」

    梓は村雨の胸に顔を埋めた。彼のシャツ越しに聞こえる心臓の鼓動が、いつもより速い。

    「梓」

    村雨の声が掠れている。梓は顔を上げて、彼の目を見つめた。

    「村雨さん……」

    風で窓がカタカタと鳴っている。外は雪が本格的に降り始めていた。
    眉にしわを刻み、しばらく逡巡したあと、視線をそらした村雨がぽつりと言った。

    「……お前さん、今日はもう、帰ったほうがいい。今夜は吹雪になる。……その、帰れなくなるぞ……?」

    窓ガラスに雪の結晶が舞い踊っている。

    「……大丈夫、です」

    村雨の瞳が大きく揺らいだ。彼女の手首を、村雨が掴んだ。

    「村雨さん……?」
    「意味、分かって言ってるのか……?」

    手からいつもより熱い熱が伝わってくる。
    数秒見つめあった後、梓がこくりと頷く。
    村雨の瞳に、これまで見たことのない感情が宿っている。梓の心臓が激しく鼓動した。

    「……私、もう子どもじゃありませんから」
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    ゆきしろ

    DONE村雨×梓。村雨と一緒に現代に帰還したif (?)。もだもだSS話。
    無印の村雨ルートしか攻略していない上に、大団円もまだで、
    幻燈ロンドで現代エンドあるって聞いただけのミリしら時空のため、
    なんか間違ってたらゴメンナサイ(。-人-。)
    一応続きがあるので、1月25日のオンリーイベントでペラペラ本にして撒きます。
    「雪に染まる日」(※冊子「彼が消えた日」の冒頭部分です)雪がちらつく一月の夕暮れ、梓は村雨の部屋で数学の宿題と格闘していた。
    リビングの小さなテーブルに教科書とノートを広げ、時折ため息をつきながらペンを走らせる。
    机の向こうでは村雨が原稿用紙に向かって万年筆を動かしている。
    時計の秒針の音だけが静寂を刻んでいた。梓は問題を解く手を止めて、彼の横顔を見つめた。
    集中している時の村雨の表情が好きだった。
    眉間に小さな皺を寄せ、時々唇を軽く噛む。どこか少年のような一面を垣間見せる瞬間だった。

    「村雨さん」

    梓が小さく声をかけると、村雨は顔を上げて困ったような笑顔を浮かべた。

    「……ん。何度も言ってるつもりだが、家では里史でいい」
    「あ。でも...なんだか慣れなくて」

    梓は頬を赤らめて視線を逸らした。付き合い始めて3ヶ月が経つというのに、まだ彼を名前で呼ぶことに照れを感じてしまう。
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    ゆきしろ

    DONE村雨×梓。村雨と一緒に現代に帰還したif (?)。もだもだSS話。
    無印の村雨ルートしか攻略していない上に、大団円もまだで、
    幻燈ロンドで現代エンドあるって聞いただけのミリしら時空のため、
    なんか間違ってたらゴメンナサイ(。-人-。)
    一応続きがあるので、1月25日のオンリーイベントでペラペラ本にして撒きます。
    「雪に染まる日」(※冊子「彼が消えた日」の冒頭部分です)雪がちらつく一月の夕暮れ、梓は村雨の部屋で数学の宿題と格闘していた。
    リビングの小さなテーブルに教科書とノートを広げ、時折ため息をつきながらペンを走らせる。
    机の向こうでは村雨が原稿用紙に向かって万年筆を動かしている。
    時計の秒針の音だけが静寂を刻んでいた。梓は問題を解く手を止めて、彼の横顔を見つめた。
    集中している時の村雨の表情が好きだった。
    眉間に小さな皺を寄せ、時々唇を軽く噛む。どこか少年のような一面を垣間見せる瞬間だった。

    「村雨さん」

    梓が小さく声をかけると、村雨は顔を上げて困ったような笑顔を浮かべた。

    「……ん。何度も言ってるつもりだが、家では里史でいい」
    「あ。でも...なんだか慣れなくて」

    梓は頬を赤らめて視線を逸らした。付き合い始めて3ヶ月が経つというのに、まだ彼を名前で呼ぶことに照れを感じてしまう。
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    hydroxidestar

    DONE戦闘の余韻抜けなくてキスしちゃう

    松井の腰が抜ける

    ぶ「キスだけでいかせてやんよ」

    事に及ぶ

    「指舐めて」と松井の口へ近づける。

    これで書けばよくない?と思い、書きました!!
    身も恋も溶かすのはきみヒトリ「やあ、松井江。出陣お疲れ様」
    「蜂須賀虎徹、ただいま。今日は君が昼当番なんだね」
    「ああ。すぐに食べるかい?」
    「そうしたいのだけど豊前が帰還途中から眠そうでね……。寝かせてきたらすぐ食べるよ」
    「了解した。きみたちの分は取り分けておくね」
    「ありがとう」

    上手く誤魔化せただろうか。
    豊前が眠いというのは、嘘だ。僕も豊前も戦闘の興奮がまだ体に燻っていて、興奮している。周りに悟られないよう平静を装っているが、それにも限界がある。なんとか部屋に辿り着くなり、豊前は噛み付くようなキスをしてきた。熱い、溶けそうだ。
    唇が合わさっただけなのに、全身が沸騰したように熱くなっている。お互いのジャケットは畳の上に放り投げた。後で畳まないと皺になるなあ、なんてことを考える余裕はこの時まで。豊前はキスを続けながら、僕の胸を弄る。つねったり摘まんだり。裾から入り込んだ長い手が伸びてきて、胸や腹をまさぐる。うそれだけで思考は停まりそうなのに、豊前はキスを止めない。何度も何度も舌を絡め取られて、豊前の唾液が僕のと混ざる。
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