マーキング君に似合う色を見つけたんだ。
そう言って髪の長い彼女にエメラルドグリーンのリボンを渡した。似合う色、なんて言いながら結局は自分の色を贈っているんだから本当はただのマーキングだ。
それでも喜んでくれた君にねだられて、いつものまとめ髪を崩さないようにそっとそのリボンを結ぶ。君の髪に触れるのはとても緊張したけれど、それと同時に触れることを許してくれているという事実がすごく嬉しくて思わず笑みが浮かんでしまう。
できたよ。
そう言うと、君は嬉しそうに笑って髪の毛に結ばれたリボンを確かめるようになんども何度も指先でさわる。その姿すら愛らしくて我慢できずに笑ってしまった。それにはっとして恥ずかしそうに笑う彼女。今鏡がないのが残念だな。
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