ひまわり「あ。せや、ギャタ兄! 八坂の姐さんが最近ギャタ兄が会いに来てくれへんて、寂しがっとったで」
非番の日、ちょっと散歩にでも出かけようとしたボウは、門の付近で留吉の声が聞こえて立ち止まった。
少し悩んだが、おそらく話が長引くことはないだろうと思い、離れたところで待つことにした。久し振りに会うであろう二人の邪魔をするのは憚られたのだ。
「あー……オイラ、姐さんたちには会いにいけねぇなぁ」
「えっ、なんで? 新選組、そんな忙しいん?」
「いや、そういう訳じゃなくてよぉ……なんてぇか、姐さんたちに会うことで、悲しませたくねぇやつができたってぇか……」
「え!? なになになに!? そういうことなん!? ギャタ兄、ついに身ぃ固めるん!?」
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