Birthday Boy放課後。
ギャタロウはボウを探していた。
なぜか気が合って一緒にいることが多く、セット扱いされがちな2人だが、実際は学年も違えば同じ部活動に所属しているわけでもない。何か約束でもしていなければ、接点は途端に小さくなってしまう。
ギャタロウはもう何度目かも分からなくなった、携帯端末のメッセージアプリの確認をした。既読は付かない。普段からあまりこの手の機械やそれから得られる情報に興味がなく、連絡が付きにくい男だが、今日はそれ以上に忙しくしているのだろう。
――約束、とりつけときゃよかったか?
そう思うが――そもそも、事前に何度もそれは頭を過ぎったのだが、今日というこの日に会う約束をするのは、まるで予約をとりつけるようで、どうしてもできなかったのだ。
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