欲しいものは今度こそ、この手で「……んでな、その時オオタチの毛が逆立ってあわや一触即発」
「あはは、なにそれえ」
ブルーベリー学園リーグ部部室。久々にパルデアからやってきたチャンピオン・アオイの目の前には、妙に饒舌なスグリがいた。
(久しぶりに会ったし出合い頭にバトルの申し込みでもされるかと思ったけど、なんだかそんな雰囲気じゃないな)
アオイの顔を見かけるや否や、スグリはやけに上機嫌におしゃべりを始めて現在に至る。そんなスグリの様子に若干の違和感を覚えつつも、アオイは楽しく会話を続けていた。
「あっごめん、さっきから俺ばっかりしゃべってたな。アオイ長旅で疲れてるべ椅子さ座って」
「それは別に良いんだけど……今日はなんかご機嫌だね、スグリ」
1974