人型アハキィと裸エプロンの話すれ違いを経てやっと心も身体も繋がった二人。
番の誓いを立て今は二人だけの時間を存分に楽しんでいる。
朝の光に照らされて、隣ですやすや眠るアハウに背後から抱き締められその腕の中で目が覚める。
アハウを起こさないようにそっと腕の中から逃げ出して、床にちらばった衣服の中から着るものを探す。
🌳『これでいいか...』
キィニチはすぐ近くにあったアハウのTシャツを1枚手に取り袖を通す。
キィニチより幾分かアハウの方が体格が良い為、着てみると首元は緩いし長さもあって下まですっぽりと隠れるぐらいのサイズでこれはこれで丁度いい。
アハウのシャツ1枚を身に着け寝起きでまだぼんやりする頭のまま、ひんやりする床を歩きながらキッチンへと向かう。
あくびをしながら、いつも通り朝食の準備を始める。
冷蔵庫から果物と卵を取り出し、戸棚から食パンを取り出す。
材料が揃ったところでキィニチはなにか忘れていることに気づく。
🌳『あ、エプロン...』
アハウの趣味で毎回着用させられているうちに、すっかり習慣になってしまったコレ。
🌳『.....』
何度見ても男が着るには少々装飾が派手すぎるほど、フリルをふんだんに使ったデザイン。
可憐な少女達が着るのならまだわかるが、自分が着てなにが良いのかはアハウのみぞ知るところだ。
それでも着るとものすごく喜ぶので、まぁそれぐらいならいいかと思ってしまう自分がいる。
🌳(まぁ、着るだけで喜ぶのなら安いものか....)
深く考えることを辞めたキィニチは朝食を作り始めた。
フルーツの盛り合わせとふわふわのオムレツ、温かいスープとたっぷりジャムがのったトースト。
どれもアハウのお気に入りだ。
テーブルにセットしたら、アハウを起こしに行く。
🌳『アハウ、アハウ、朝だぞ』
🕶『ー......』
この聖龍、睡眠など必要ないとほざきながら寝起きはすこぶる悪いのだ。
油断すると二度寝を繰り返し起きてこないので容赦なく身体を揺らし強制的に目覚めさせる。
🌳『朝ごはんが冷める、起きろアハウ』
🕶『きぃ...にち...?』
アハウは目を擦り、だるそうに瞳を開ける。
くわっと猫のように大きな口をあけてあくびをすると、眉間に皺を寄せながら逆光の中で朝の光に照らされ白いフリルのエプロンに身を包むキィニチをぼんやりと眺めていた。
🌳『おはよう、アハウ』
🕶『ん....』
🌳『ほら、起き上がってご飯に.....って、うわ!』
光の中でやわらかく微笑むキィニチを見ていたら、その腕を掴んで身体ごと引き寄せてベッドに引きずり込み抱き締めていた。
無防備に晒される生足を撫でやわい双丘を揉みながらキスをしようとすれば、まゆを下げ耳まで赤くしたキィニチの両手でそっと唇を塞がれて阻止されてしまう。
お預けを食らったままじっとキィニチのことを見つめていると、キィニチが申し訳なさそうに口を開く。
🌳『い、今は、だめ、アハウ...』
まだ初々しさの残るキィニチの反応に未消化なアハウの欲は徐々に悪戯心へと移り変わっていく。
大きくなる悪戯心は、いつのまにかキィニチの衣服に手をかけ脱がしにかかっていた。
🌳『ひゃ、な、アハウなにして....!』
アハウは抵抗するキィニチをなんなくいなして、器用にTシャツだけを剥ぎ取った。
剥ぎ取ってエプロン1枚のみになったと同時にキィニチはアハウの腕から逃げ出しベッドから降りて猫のようにこちらを警戒している。
腕の中のぬくもりが消えて、アハウは仕方なくベッドから起き上がって下だけ適当に服を着てそのままキィニチを壁際まで追い詰めた。
🌳『お、お前っ...!ぅ....こっち見るな...っ』
この為に短めにしたエプロンの裾を片手でギュッと握りしめ局部を隠すように下に引っ張り、引っ張られた布地から胸が見えないよう腕で隠し、ズレた肩紐を抑えたまま恥じらいながらこちらを見上げ睨んでくる光景は実に絶景である。
アハウにとってキィニチの威嚇など子猫と変わらない威力だ。
アハウが顔の横に片手をついて指先で顎をすくい上に向かせれば、唇を噛み締め目をぎゅっと瞑るキィニチが視界に映る。
🌳『....っ!』
番の誓いまで立てやることもやってるのだが、いつまで経ってもキィニチの反応は健気で可愛らしいままだ。
そのあまりの可愛らしさに欲より愛しさが勝り、アハウはつい笑ってしまった。
🕶『く、ふ...はは..!』
いつまでもこない衝撃とくつくつと笑うアハウに、キィニチはまた揶揄われたのだと気づき今度こそ怒ろうとした。
しかし次の瞬間にはふわっとアハウに抱き寄せられて遮られてしまう。
🕶『はぁ〜...オレ様の嫁が可愛すぎる....』
キィニチは悔しさと恥ずかしさにアハウの腕の中で俯いていると、不意に身体が浮きアハウに片腕で簡単に抱き上げられてしまった。
🌳『ば、ばか、急に持ち上げるな...っ!』
抱き上げられたせいで俯き隠そうとしてた表情も、下から覗き込むアハウにすべてバレてしまっていた。
🕶『ははは、まだ真っ赤だな?昨日したことより恥ずかしいのかよ?』
昨日したこと、というのはつまり夫婦の夜の秘め事である。
蘇る昨晩の記憶の数々にキィニチは頭から湯気が出そうになる。
🌳『アハウのばか...!へんたい...!すけべ、邪龍...!!』
心底楽しそうなアハウに腹が立ち、キィニチは照れ隠しに思いつく限りの悪口と仕返しと言わんばかりに頬を思い切りつねってやった。
🕶『いでででで!!!わかったわかった、オレ様が悪かったって!』
🌳『ん...』
わりとすぐ謝ってくれたので、キィニチは今日だけ許してやるかとアハウの頬を解放してやった。
🕶『手が先に出るのはどうかと思うが、まぁいい....』
頬の赤みが引かないうちに、アハウは部屋の中をあるきはじめた。
突然揺れる身体に咄嗟にアハウの頭にしがみつき、当初の目的を忘れているキィニチは行き先を聞いた。
🌳『わ、どこに行くんだ?』
🕶『どこって、可愛い嫁が作った飯食べに行くんだよ』
そう言ってアハウはキィニチを抱きかかえたまま、ダイニングへと向かった。
ダイニングに到着すると、アハウはキィニチを横抱きするようにして朝食が用意されたテーブルの前に座った。
🌳『食べる時ぐらい降ろしてくれ....』
🕶『いやだね』
キィニチは力づくで脱出を試みるが、逃げようとする力を逆に利用され対面になるように膝に座らされてしまう。
膝に座らされるだけでは許されず、手で腰をしっかりと固定されてしまって余計に脱出が困難になってしまった。
🌳『ぐ...!』
🕶『なぁ、キィニチ、お前が逃げようとすっから捕まえておかないといけないせいで飯食えないんだけど?』
そう言うとアハウは口を大きくあけて、暗に食べさせろと主張してくる。
このアホ聖龍をどうしてやろうかとキィニチが考えてる間にも、答えを急かすように腰を掴まえていたアハウの手が遊びはじめエプロンでは隠しきれない脇腹を撫でる。
胸に触れる1歩手前まで撫で上げ往復する動きに、ゾワッとした感覚が広がり腰がビクっと反応してしまう。
焦ったキィニチは仕方なくアハウの要望をのむことにした。
🌳『ひ、ぅっ♡わ、わかった!わかったから!食べさせればいいんだろ!』
キィニチはテーブルからフルーツを取り分けるために身体を動かした。
エプロン1枚で膝の上に乗っているキィニチはもちろん下着などつけているはずもなく、動くたびにアハウの太ももにキィニチのやわらかな肌が無遠慮に押し付けられ質感がダイレクトに伝わってくる。
🌳『ほら...あーん...』
キィニチが頬を染めて眉をハの字にして恥ずかしそうにアハウを見上げながらブドウをひと粒摘み差し出す。
アハウからは上目遣いのキィニチだけでなく、赤みを帯びた肩や鎖骨までもがよく見え、エプロンの隙間からはピンクの乳首まで見えており食欲以外のものも掻き立てられる。
🌳『アハウ?食べないのか?』
キィニチを食い入るように見つめていると、下から不安そうな声で首をかしげながら名を呼ばれたのでキィニチの指ごと食べるように噛み付いた。
噛んでしまったところをいたわるようにねっとり舐めて口を離す。
🌳『こ、こら....指まで食べるな』
並べる言葉以外はまったく怒る様子のないキィニチをみてご機嫌なアハウは本気で嫌がらないのを良いことに続きを要求する。
🕶『キィニチ、次はイチゴがいい。あ、ちゃんと練乳もかけろよ』
🌳『既に甘いのに、さらに甘くするのか...?』
存外甘党なアハウに呆れ半分心配半分でため息をつきながら、キィニチは言われた通りにイチゴを手に取りに練乳をかける。
練乳をチューブから押し出してイチゴにかけようとした瞬間に、アハウの手がキィニチの形の良い双丘を左右に割開くように揉み始めた。
🌳『ぁっ!』
双丘のあわいのギリギリにまで指を這わせて揉みしだくと、キィニチは身体をビクっと大きく震わせわかりやすく反応する。
身体を大きく揺らしたせいで手元が狂い、チューブから押し出した練乳はイチゴにはかからずキィニチの胸へと垂れエプロンの中に入り込み肌を伝って落ちていく。
それを見たキィニチは、仕事モードの時のような鋭い目つきでアハウを睨み凄む。
🌳『...おい、アハウ』
凄むキィニチに、アハウは叱られた子供のようにむくれながら言葉を返す。
🕶『な、なんだよ....そんな怒ることねぇだろ?』
🌳『.......食べ物を粗末にするな』
🕶『まだそんな貧乏くせーこと言ってんのかよ...』
🌳『アハウ』
これ以上は怒るぞ、と言わんばかりのキィニチの冷たい視線に負けてアハウはしぶしぶキィニチの双丘に触れていた手を離した。
🕶『わーったよ、そこまで言うなら....』
もうイタズラはしないと反省したとのかと思っていた矢先に、アハウはキィニチの両手が塞がってるのを良いことに華奢な肩から肩紐をストンとおろし胸を露出させたのだ。
🌳『なっ...!』
突然のことに固まっているキィニチの両腕を掴み、あろうことかそのまま胸に垂れた練乳を舌でなぞり舐めとったのだ。
🌳『あ、んっ♡や、ぁっ♡』
鳩尾部分から胸の先端まで、特に乳輪近くを執拗に舐められ吸われ咄嗟に身体をアハウから離そうとするが掴まれた両腕を引っ張られ逃げることは叶わない。
くにくにと乳首を舌で捏ねられて指先に力が入りそうになるが、手に持ったイチゴと練乳のチューブが邪魔をする。
🌳『ひ、っ♡だめ、アハウ...っ♡♡』
キィニチは身体を固くして耐えるしかない。
じゅっと吸い上げてようやくキィニチの胸から口を離したアハウは、したり顔のままキィニチに言葉を放った。
🕶『ほら、これで解決だろ?』
🌳『お、お前...っ!』
キィニチは怒りと羞恥と悔しさが入り混じった表情でキッとこちらを見上げている。
そんなキィニチを煽るかの如く、涼しい顔で勝ち誇ったような笑みを浮かべてアハウは言葉を続けた。
🕶『ほら、はやく続けろよ、キィニチ?』