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    nousonam19

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    nousonam19

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    ゼイアオ←モブ子

    無題18放課後の静まり返った校舎に響く私だけの足音。

    カバンに入れ忘れたノートは、たぶん机の中だ。
    明日は抜き打ちテストの日だし、赤点回避のためにも復習はしておきたい。

    教室前に着き、ドアに手をかけると、中から小さな音が漏れてきて、指先が止まる。

    ちゅ、ちゅ、と、どこか湿った音に混じり、
    「好き…。」
    と甘く囁く声。

    …アオイの声だ。

    聞き間違いじゃない。
    彼女の柔らかいトーンは耳に馴染んでる。
    だって…。

    胸がざわついて、そっと覗き窓から中を覗いた。

    アオイが誰かに抱きついて座ってる。
    相手は椅子に腰かけた長身の女の人、長い黒髪が目を引く。
    …誰だろう。
    1年生じゃなさそう。

    アオイは目を閉じてその人に寄りかかり、甘えるみたいに唇を重ねてる。

    「ん…好き。」
    とまた囁いて、相手も
    「あたしも好き。」
    と返す。

    アオイの茶髪が揺れて、彼女の幸せそうな横顔が刺さる。
    息が苦しい。

    その時だった。

    見るのに夢中になっていた私は、うっかりドアに触れる。

    かたん、とドアが鳴った。

    しまった、と思う間もなく、黒髪の人がこっちに目を向ける。

    金色の鋭い瞳が窓越しに突き刺さって、背筋が凍る。

    動かない私に、片手を上げてシッシと追い払う仕草。
    アオイはこちらに気づいていないようで、抱きつく彼女に甘えたまま。

    私は鋭い視線に耐えきれず、慌てて踵を返した。

    廊下を駆け抜ける。

    バクバクと自分の鼓動がうるさい。

    アオイが誰かをそんな風に好きだったなんて、知らなかった。

    あんな顔、私には見せてくれないのに。

    あの人、誰なんだろう。
    ああ、こんなにも胸が痛い。
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