❤くんの夢「オレの夢がなんだっていいだろっ」
言えるわけがない、言えるわけがないのにお前もグリムもデュースも目を輝かせて聞いてくる。
言いたくない、言ったってどうせかないっこない夢だから。
「…どーせ、しょうもない夢なんだゾ。」
しばらく誤魔化していたらグリムは、可哀想な人間を見る目をオレに向けてそう言う。
そう思いたきゃ、そう思えばいい。
他の誰かに聞かれていたら、笑ってそう答えていたのだと思う。でも、その言葉が頭にカチンと来たのだ。
「…あーもうっ、わかったそんな知りたかったら教えてやるよ。俺の見た夢はな、〇〇が元の世界に戻らないままの夢。」
勢いに任せて、そう言葉を吐き出すとオレ以外の誰かが口を開く前に続けて言った。
「…最低でしょ。」と、自分で自分のことを嘲笑いながら。
「……そんな未来の世界もあるのかもね。」
その言葉を聞いて、最初にそう口にしたのは〇〇だった。
「」
「…夢の中の自分は幸せそうだった」
続けてそういう〇〇を見ると、〇〇の目には涙が溜まっていた。
「…幸せかどうかは分かんないけど、楽しそうだった。」
声が震える。
「なら、良かった。」
〇〇はそう言って笑みを浮かべ、それから「どうしてエースが泣くの」と言った。