進捗①色んな出来事があって、まだ少しなのかもしれないけれど世界が魔法を使えないマッシュくんを認めてくれた後の話ーー。
もうすっかり左頬が綺麗になった彼と、休日に二人で雑誌を読みながら寮のベッドで過ごしていた時に、ふと恋愛特集のページを見ては僕とマッシュくんの二人だけなのにそういう話に自然となってしまったのが奇跡だったのかもしれない。恋愛にあまり興味無さそうな彼から話を振られて、心臓が飛び跳ねて、きっとあの時の僕はまともな顔をできていなかったと思う。
「フィンくんは好きな人とかいるの?」
「えッ…いないよ?」
「これは嘘をついている顔ですな」
「え、えぇ…?」
「フィンくんは嘘を作くときに、少しだけレインくんみたい眉間の皺を寄せるから」
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