にょた可不可とHAMAツのダンス番長ズ 〜緊急会議編〜※男女混合HAMAツアーズ。同室のため添が女体化しています。ちぃ語間違いだらけなのでサラッと流してくださいませ。自己満です。
「添、千弥、ギリギリの時間に集めてごめんね。今日は貴方たちに折り入って相談したいことがあるんだ」
しんどーい繁忙期を乗り越えた社内はいつもより空気がゆるっとしている。今日までにやる業務はぜーんぶ終わらせちゃったし、先の分に手をつけてしまうほど切羽詰まってもないし。時間休でも使って帰っちゃおうかなぁとか、この前残業した分ここで帳消しにしちゃっても良くね? 気になってた映えなお店今のうちなら混んでなさそうだし太緒も誘っちゃうかぁ、とかそんなことをぼんやり考えてた。オレ的には忙しい方がやりがい感じてたのしーしアゲだけど、こういう日も悪くない。だって切り替えも大事だよね?
時計の針が進んでいくのを頬杖つきながら見つめていると、後もうちょっとで終わるってタイミングで、外のお仕事から帰ってきた社長っちがオレ達に声をかけてきた。
「ん〜…イイですけどオレこの後用事あるんで手短にしてもらえると助かりまーす。あっ、それとも超過した分、時間外付きます?」
「大丈夫、十分もかけるつもり無いから…千弥もいい?」
社長っちに誘導されるまま、もう誰も使ってない仮眠室のハンモックに深く腰掛けたてんちゃむ。面倒そーな顔を隠すつもりは少しも無いっぽい。オレがもう一個のハンモックにもたれかかって大丈夫だよってウインクすると、社長っちは時計を確認する素振りをしながらドアの小窓へ視線を流す。その様子になーんか変だなぁ〜ってオレは首を傾げた。うまく言えないけど、いつもの社長っちに比べて落ち着きがないってゆーか、ソワソワしてるようにも見える。
どうしたんだろう?まだ誰にも聞かれたくない極秘の企画とか??
「……その、相談っていうのが周囲には口外してほしく無い内容なんだけど」
「うんうん、どしたん? オレちゃんとナイショにできるよん。てんちゃむもね!」
「え〜〜オレまだ何も言ってないけど?」
なんだか歯切れの悪い喋り方で心配になる。オレとてんちゃむの共通点っていったらダンスが得意ってとこくらい。なんか新しい企画でも立てるのかな〜って思ったけど、そーいうのじゃないっぽい。もしかして言いにくいような悩みごと、とか…?
ちぃよりも年下でちっちゃい体の社長っち。なのに頭よくてしっかりしててすっごい人だなーって尊敬してんだけど、主任ぴやゆきぱそ相手には年相応な顔も見せてたりして、この人はカッコいいだけじゃなくてカワイイ面もいっぱいあるんだってこの数年間で知った。ファン感の盛り上げ隊長に任命されて、ちぃが悩んじゃったときも頼もしー言葉で背中を押してくれて、感謝してる。だから頼ってくれるんなら精一杯応えてあげたいよね!
オレはそう心の中で息巻きながらも圧をかけないようなかるーい笑い声でてんちゃむの愚痴を聞き流す。
社長っちはちょっとだけ黙り込んだ。その頬はパフェのてっぺんに乗っかる主役のイチゴみたいに真っ赤っかになってて。肩の上でくるんって跳ねた横髪を指先でもじもじイジってる姿はなんだか微笑ましくて。全然似てないのに不思議とうちの妹達と重ねてしまう。だからカノジョがこの後すっごいことを言い出すなんて想像もしてなかった。
「その………おとこの子が、好きな……し、下着について、意見をもらいたくって……」
「おけおけ!まっかせろりぃ〜……………って、エぇッ!?」
「…え、マジ?もしかして、そっち系の相談すかぁ〜笑」
オレがショックを受けて声も出せずに固まってると、てんちゃむが身を乗り出してさっきまでの無愛想な表情をくるっと引っこめた。ニヤニヤと声を弾ませながら楽しそーに、チャームポイントの泣きぼくろをニュッと持ち上げていている。社長っちはをそんなてんちゃむに眉をひそめ冷たい笑顔をむけた。
「添、言い方!………ってまぁ、実際その通りなんだけどさぁ」
「大変ですねー、ああいうタイプの恋人を持つと……ってもう旦那様か、ははは」
「…揶揄うのやめてくれる? あと、籍は来月入れるから、まだ彼氏です!」
「なるほどねー。過保護で大事にしたがりの彼氏様が手を伸ばしたくなるよーなエロいアイテムのご相談ってワケっすね」
「言い方に品が無いけど開けっぴろげに言うとそう。キミはそういうの慣れてるでしょ?添」
「やだなぁ〜、人のことビッチ呼ばわりするのやめてもらえます?」
「……え、ええーと、社長っち?」
「ん、どうしたの?千弥」
「あのね、てんちゃむはまだしも、オレがこの話聞いちゃっていいのかなー…って」
どういうこと?って言いたげに社長っちがオレを凝視してる。
「だってちぃはメンズだし…女の子の下着のことはあんま役に立てないかもーー……的な?」
「あぁ、そういうこと? 千弥は以前にジェンダーニュートラルなランジェリーショップのモデルに抜擢されたことがあるでしょう? あのデザインすごく良かったよね。だから女性以外の意見も参考に出来たらと思ってたんだけど」
うーん、オレが言いたいのはそういうことじゃ無いんだなぁ。あの穏やかな主任ぴでも恋人が違う男に、えちちな相談しちゃうのはさすがに抵抗あるっしょ?
オレがコラボったのはいわゆる見せパンってやつ。社長っちが求めてるものとは方向性が違うんじゃないかなって思う。しかもその悩みの種の恋人は見知りどころかあの主任ぴだよ?? 正直気まずい。
…うーん、どうしよ。てか、ふたりの話聞いてると………そーいう意味で大事にされてるっぽいよね? なおさら変なこと言えないや。
言葉に詰まっているオレを置いてけぼりにしてふたりはてんちゃむが差し出したスマホを覗きっこして、あーだこーだ喋ってる。社長っちが普段はこれ使ってるって呟いたブランドはオレでも知ってるお高めで清楚路線のもの。きゃわなレースとかリボンがたっぷり使われてる下着を身につけたモデルさんがCMしてたっけ。線が細い儚げふわふわお姫様♡ってイメージ。きっと社長っちにもめっちゃ似合ってるんだろうなぁ。邪な気持ちはもちろんなくて自然と納得した。
「あ〜〜良いとこの使ってますね。別にいいんじゃないっすかここので、社長のイメージにピッタリですよ」
「うーん……品質もいいしデザインも気に入ってはいるけど……あの、主任ちゃ……楓ちゃんが僕にドキドキしちゃうようなセクシーなやつも捨てがたいなって……添がたまに着てるやつ、とか……」
「…だからオレが抜擢されたのか〜」
「……楓ちゃんてば、僕のこといつまでも子ども扱いしてくるんだから。良い機会だし、僕がもう立派なレディーだってこと思い知らせてやろうと思ってさ♪」
いつもより途切れ途切れになる言葉。心細げに伏せたキレイなまつ毛。強気な言葉で明るく振る舞ってみせてるけど、すごく悩んでるんだろーなって伝わってくる。
……なんとかしてあげたいな。
主任ぴならこんなにカワイイ〜社長っちがいっぱい悩んで決めた勝負下着、どんなやつでもよゆーでドキドキしちゃうっしょ?絶対にそう!!…でも、そう伝えても今は気休めとしてしか受け止めてくれないと思うからさ。
「よ〜し!!」
「え? なに突然デカい声だして」
「とりあえずー、そのセクシー路線のやつは一旦保留にしよーぜ? てんちゃむが今開いてる画像のやつ着たら主任ぴの心臓が幾つあっても足りなくなっちゃう」
「それはそれでよくない? 面白そーだし」
「ダメダメ! だって主任ぴが大好きなのは社長っちなんだよ! ほかの人の模倣じゃなくて素材を最大限に生かすのがいちばん! キュート♡なイメージを軸にして〜、油断したタイミングでチラ見せできちゃうよーなのとか、ど? 清楚系えちちなギャップでダーリンをメロメロリンにしちゃおーぜ☆」
「め、めろめろり……出来るかな…僕に……」
「だいじょーぶ!社長っち超美人なんだからいつもの自信思い出して!!……あっ、でもこの緊急会議のことは主任ぴにナイショだよ! おけ?」
「……え、そう? わかったけど…」
「あ、これとかどうですか? オープンクロッチショーツ」
「も〜〜、てんちゃむはお口チャック!!!」
時計の針は小刻みに回ってとっくに約束の時間をすぎてる。てんちゃむもそのことに気付いてるみたいだけど、なんだかんだでこの場を楽しんでいるのか目尻を細めた。