それでも隣にいる災厄が去り、世界が静けさを取り戻し始めた頃。
ソダテナーから身を引いたコトゼットは、とあるカケラ島に家を建てた。
これからは指導者として人々を導きたいーーそう考えた彼女は教師として生きることに決めた。
少し人里から離れた場所に家を建て、自分のためのいくつかの部屋と教室を作り、近所の子どもたちを招いて授業をする。それが今の彼女の静かで平和な日常だった。
そしてその建物の小さな一室に、かつて孤独の化身と呼ばれた彼ーーボッチアーニがひっそりと住んでいた。
孤独と絆の壮大な戦いの果て、異世界から招かれたヒーロー達に倒されたボッチアーニは、力を失い、弱りながらもその体を保ち残っていた。
項垂れながら他人を拒絶し、そのまま姿を消そうとした彼だったが、それを静止して無理やり自らの家に招き入れたのがコトゼットだった。
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