「せんせー!まってたぞ!」
「こんにちはロヴィーノくん。お邪魔します」
「ちょ……っロヴィ!ドア開ける前にまず誰か確認せなあかんっていつも言うてるやろ!」
インターフォンを押すや否や玄関の扉を開けてくれたロヴィーノくん。遅れて聞こえてくるアントーニョさんの慌てた声。
今日もこの二人は通常運転だ。
「堪忍なあ。ロヴィお前来るって聞いてからずっとこんな調子で」
「いえ私もロヴィーノくんに会えるの楽しみにしてましたから。あ、これつまらないものですが」
手土産の洋菓子が入った紙袋をアントーニョさんに手渡す。アントーニョさんは「そんなんええのに」と笑ったがそうは問屋が卸さない。
私自身今日という日が待ち遠しくも緊張でどうにかなってしまいそうだった。入念なリサーチを重ね、隣町まで買い出しに行ったのだ。
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