テデの夏休み・1日目6月の時点で既に怪しい動きをしていた気温は7月に入って軽く30度を超え、少しでも涼もうと風を扇いでも生温い空気をかき混ぜて逆に暑さを感じさせるだけで、厳しい太陽の熱に耐えたところでただ気力と体力を無駄に消耗させた。
7月後半に差し掛かれば猛暑と呼ばれる気温に達する日が連日続き、遂に8月に入った本日、ぐったりと自室のテーブルに突っ伏したディオンは、じわじわと肌に滲み出る汗の不快感にうがあ、と何度目かもわからない咆哮を上げた。
「暑い!!」
「わかります。しかしそう何度も吠えないでください」
「口調!!」
「ごめん」
苛立ちに任せて噛みつくディオンに対して、同じく暑さに参りかけていたテランスも彼の火を点けないようにと従順に言葉遣いを戻す。
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