割と仲良くやってる何組かが集まって何やら色々がある日。モブ下っ端は周辺警護のために結構早くからホテル周辺に待機していた。すると開始時間より結構早い時間に国産高級車がやってくる。めっちゃ早いやんけ、誰や?と思ってたら祭林組の若頭補佐、成田狂児が後部座席から降りてきた。足ながっ!男から見てもかっこえぇなぁ、思ってたら成田は振り返って後部座席に手を差し伸ばしている。そういえば少し前に結婚したとか言うてたな、しかも男と!もしかして嫁が見れるんか!?とモブ下っ端がワクワクしてたら、出てきたのはネルシャツに黒いズボン、黒い髪の毛にメガネ、白いマスクでいまいちよく顔のわからない、おそらく若い男。服もそうやけど、遠くからみても雰囲気がもっさい。えー、あんなんが成田の嫁なん?趣味悪ぅ、って思うモブ下っ端。成田が嫁の腰抱いて中に入っていく。その後ろを祭林組の下っ端が荷物抱えてついて行ってるのを目の端で見ながら、すっかり興味失ったモブ下っ端は自分の仕事に戻った。
無事に色々がある日を終えたモブ下っ端は、割と気さくに話をしてくれる幹部と事務所で一緒になる。
「モブ幹部さん、祭林の成田の嫁見ました?」
「あぁ、嫁な。見たで〜」
「なんやめっちゃ綺麗な男やったな」
「なんやめっちゃダサいヤツでしたよね」
「「え???」」
「しゅっとした綺麗なやつやったやろ」
「だっさい服着たもっさいやつですよね」
「「……成田の嫁の話よな?(ですよね?)」」
ま、まぁ人それぞれ感性はちゃうしな。モブ幹部さんはあーいうのが綺麗って思うタイプやねんな…。へへ、って謎の愛想笑いしてその場を濁すモブ下っ端。
「なんで毎回、現地で着替えなんですか…。家から着てきたらあかんの?」
「着飾った聡実くん見れるやつは少ないほうがえぇからな。…あー!今日も完璧にかっこえぇのに綺麗で可愛いなぁ!せや、もうこのまま家帰ろか!あ、でもその前にこの格好のままご飯食べに行こか。どこがえぇかな〜。□□行く?」
「いや、何のためにここ来たんですか。今日、なんか大事な顔合わせなんでしょ」
「せやけど!やっぱり誰にも見せたない!!!」
「でも今日、美味しいステーキあるって聞いたんで食べたいです」
「んん!!ほな行こか!!」