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    dreamingMush

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    メイロナくん 今回もエロなし

    「ポール、一つ仕事を頼んでもいいかな」
    「はい、ご主人様……」
    さあなんだ、喉でご奉仕か?おっぱい洗体か?とロナルドは身構えた。
    「毎晩私のことを起こしてほしいんだ。少し早起きさせてしまうことになるが、いいかい?」
    ドラウスの頼み事は、ロナルドにとってごく簡単なことだった。ロナルドは、はぁ、と拍子抜けする。
    「別にそれはいいですけど……」
    「そうか、嬉しいよ。部屋を案内するからついてきてくれ」

    ドラウスはロナルドの手を取ると、普段は立ち入ることのない地下に下りていく。何度か角をまがって、扉を開けた奥の奥に、その部屋はあった。薄暗く、必要なものしか置かれていないが、そのひとつひとつが品のいいものであることがわかる。部屋の真ん中に鎮座するのは、大きな棺桶。それが彼の寝床なのだと思うと、吸血鬼という存在を感じる。冷静に考えると、吸血鬼にいいように犯されているのって退治人として相当やばいのでは?という考えがよぎらないこともなかったが、これは作戦!色仕掛け!ということで解決した。

    「季節によって時間は変わるが、日の入りにあわせて起こしてくれればいいから」
    そう言っていたドラウスにあわせて、ニュースで日の入りの時間を調べたロナルドは、アラームをセットして眠りにつく。明日はドラウスを起こしに行くんだ、なんだか新婚さんみたいだな……とそんなことをぼんやり考えながらロナルドは眠りについた。

    翌晩、アラーム通りに起きたロナルドは、もそもそと着替えると地下へ降りていく。あくびを噛み殺しながら扉をノックするが返事がない。中まではいっていいのかな、とそっと扉を開ける。棺桶のそばに近寄ると、こんこんと強めに叩く。それでも反応がないから、ロナルドは棺桶の蓋をずらした。
    「寝てる……」
    それはそうなのだが。実はロナルドはドラウスの寝顔を見ることは少なかった。セックスのあと、ドラウスは自分の寝床に帰るか、ロナルドより遅く寝て早く起きるかだったから。ロナルドはまじまじとドラウスの寝顔を観察する。男らしく整った顔立ちだ、思わず見とれるくらいに。

    そんなことをしていたら、ロナルドの中に悪戯心が芽生えてしまった。
    「ご主人様、起きないとき、キスしちゃうぞ……」
    ロナルドはそーっとドラウスに顔を近づける。ふにゅ、と唇と唇が触れた、と思いきや。がっと後頭部を掴まれる。ドラウスの舌は唇を割って入りこみ口内を舐る。ロナルドはんー!
    んー!と唸りながらドラウスと距離をとろうとするが、頭をがっちりホールドされていて無理だった。ロナルドの目頭に涙が浮かんだころ、ようやく解放される。
    「はーっ、はーっ♡お、起きてたんですか……」
    「お前のキスで目が覚めたんだよ」
    「あんたはプリンセスか」
    しれっと嘘をつくドラウスをロナルドは睨みつける。ドラウスは半身を起こすとにこにこと笑ってロナルドの頬に触れた。
    「随分と可愛い起こし方じゃないか。毎晩頼むよ」
    「もうしません!じゃあさっさと起きてくださいね!」
    ロナルドはドラウスの手を振り払うと、大股で戻っていった。

    「ってことがあってさ」
    ロナルドはドラルクの部屋を掃除しながら、今晩のことを話していた。ドラルクも、今日は悪戯もせず大人しく話を聞いている。
    「じゃあ、ロナルドさんはお父様の棺桶の場所を教えてもらったんですね?」
    「そうだけど?」
    ロナルドはきょとんとした顔をする。ドラルクは足をばたつかせてにやにやした。
    「ふふ、そうなんですね~」
    「なんだよ、なんかあるのかよ」

    ロナルドが問い詰めると、ドラルクは口を開いた。
    「棺桶の場所を教えるってことは愛と信頼の証。プロポーズみたいなもんなんですよ」
    は、フリーズしたロナルドに、説明を続ける。
    「眠っている時に心臓に杭でも打たれたらたまりませんからね。よっぽど信頼できる相手にじゃないと棺桶の場所なんて教えませんよ」
    ぽぽぽ、とロナルドの頬が熱くなる。でも同時に、自分は潜入捜査をしていることも思い出した。俺になんて棺桶の場所教えちゃいけないのに。俺は、ドラウスにとって敵なのに、と。

    顔を真っ赤にしたと思ったら次は真っ青にしたロナルドを、ドラルクが心配そうにのぞき込む。そして、ごく真面目な声音で告げた。
    「ロナルドさん、なにを隠しているのか知らないですけど。ロナルドさんが例え何であれ、お父様はロナルドさんのことが好きだと思いますよ」
    「そう……かな……」
    ロナルドはその言葉を信じてみることにした。いつか、いつか本当のことを話せる日が来たらいいな。

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