「あーーーー!!最ッ高や、真島クゥん!!」
ボロアパート前の狭小な空き地。
地面に大の字になって西谷誉は恍惚の表情を浮かべていた。
「ハァ…ハァ…あんた、ほんま、しつこいで…」
こんなやり取りは慣れたもので、ぶちのめされても嬉しそうに横たわる西谷に、真島はついに手を差し出すようになっていた。
その手をちらと見ながら、緩慢な動作で西谷は自身の手を伸ばす。
「ほんま興奮する…わしびんびんやで、真島くん」
分かりやすく窮屈そうなスラックスに自らの視線を落とす。
いらんこと言わんでええねん
そう至極呆れた声で返ってくる。
いつもなら。
しかし今日は。
「…ほんなら、ヤってみるか」
ん?
いま、なんて?
貸された真島の手にぐっと力が入った。
1901