ぐだぐだ文学草子~法師陰陽師と台所のアーチャーを添えて~(未完)(ンンンン――紫式部殿、藤原香子(ふじわらのかおるこ)殿――ンンンンンン――)
嗤いとも嘆きとも叫びともつかない、蓬髪の法師陰陽師の奇声が耳に蘇る。
蘆屋道満は、かつて平安京にて、マスター・藤丸立香率いるカルデアに挑戦して敗れた。その後カルデアの術式で召喚されても、多くのサーヴァントがその動向を警戒し続けている。
香子も決して心を許しているわけではないのだが、なぜかこの巨躯の陰陽師は結構な頻度で香子に話しかけてくる。
それは香子が師と仰ぐ安倍晴明が関係しているのだと理解してはいるものの、正直かの最優陰陽師が絡んだ時の道満は実に面倒くさい。
晴明から己のことを何か聞いていないかと問われても、聞いていないものは聞いていない。正直にそう答えれば、露骨に強がってンンンと嗤う。
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